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ページ更新時間:2008年05月07日(水) 03時17分

ロッテリア、再生賭けたチーズバーガー

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 赤字経営を続けながらも企業再生を専門にする会社の力を借りて立ち直るきっかけをつかんだハンバーガーチェーンがあります。「チーズバーガー」に賭けた再生への道のりを取材しました。
 ハンバーガーチェーンで業界3位の「ロッテリア」。ここ3年、赤字経営が続いています。

 「おいしいですね。結構チーズがとろけてるところとか」(男性客)

 4月から全国展開を始めた「絶品チーズバーガー」が大ヒット。具は牛肉のパテとチーズだけというシンプルなバーガーに今年、社運をかけています。経営不振のロッテリアは、2年前、外食産業とは無縁だった企業再生会社の支援を受け入れました。

 「外食分かってないだろうというこっち側(生き抜き)の目と、本当のマーケティング分かってないだろうという向こうのぶつかり合い」(ロッテリア生え抜き・長元恒部長)

 外部からの支援に、ロッテリア一筋25年の長元部長ら生え抜き社員は反発し、「辞めたい」という声すら上がりましたが・・・。

 「あの商品が悪かったからとかあのキャンペーンとか、言い訳満載の環境ですよね」(湯浅智之役員〔再生会社出身〕)

 再生会社は、ロッテリアの商品が競合する他社をまねたものばかりだとして、2年間の試行錯誤の末、「味にこだわる」というあえて直球のコンセプトを選んだのです。

 新しいチーズバーガーは肉の量をおよそ2倍に増やし、風味の強いナチュラルチーズを使って質にこだわりました。肉とチーズの味を際立たせるため、野菜は入れないと決断。さらに、ソースをやめて塩だけで味つけと、ファストフードとしては異例づくめの商品です。

 味にばらつきが出ないよう店長向けの調理研修も実施し、試験的な発売に踏み切りました。

 しかし・・・
 「ちょっとさみしいかな」(男性客)
 「写真に期待しすぎた」(女性客)

 ハンバーグを焼く過程で細かく刻まれたチーズがこぼれてしまうため、チーズの量が少ないとクレームがついたのです。

 「白いチーズを使ったバーガーです」(チーズの担当者)

 再生会社はすぐに対応することを決断。値段が高いため、費用がかさみますが、こぼれにくいスライスチーズを使うことを決めたのです。再生会社が主導する素材の変更をきっかけに、生え抜き社員との間に信頼関係が生まれてきました。

 「主役は誰かというと、ずっとロッテリアで働いていた人と現場の店舗」(湯浅智之役員〔再生会社出身〕)

 4月の売り上げが2割もアップするなど、チーズバーガーの滑り出しは好調です。ただ、ファストフード業界はコーヒーチェーンなどと激しい客の奪い合いを続けていて、1つの商品のヒットだけでは生き残りはおぼつかないのも確かです。

 「1つすごい商品が出て、やっとみんなが一緒になれたような気がします」(ロッテリア生え抜き・長元恒部長)

 どん底から立ち上がる兆しの見えた外食チェーンが本当に再生できるのか。これから正念場を迎えます。(06日18:15)

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