最終更新:2008/05/07 01:10

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日中首脳が非公式に夕食をともにするなど友好ムードを演出 7日に首脳会談へ

中国の胡錦涛国家主席が6日、国家元首としては10年ぶりに来日した。
厳重な警備が敷かれる中、初日の6日は、福田首相と非公式に夕食をともにするなど、友好ムード演出の1日となった。
厳戒態勢の中、中国の胡錦涛国家主席が羽田空港に降り立った。
江沢民前主席以来、10年ぶりの中国国家主席の来日に、両国の国旗を持って歓迎する人々がいる一方で、表参道では抗議デモが行われ、「チベットに平和を!」と、チベット問題に対する激しい抗議の声があがった。
聖火リレーの混乱を思わせる光景の中、胡主席は、日中友好に尽力した「旧友」やその家族と再会した。
そんな、「旧友」の中に、山形・遊佐町の小野寺 喜一郎町長の姿もあった。
25年ほど前に青年組織の訪中団代表を務め、中国側の責任者だった胡主席と親しくなったという。
小野寺町長は「『将来相当の地位を担うリーダーになる』という話は、中国青年の間でもありました」、「どんどん若くなったような気がしますよ」と話した。
また、この席で胡主席は、日本との関係について、「今、中日関係は、歴史的な転換点に立ち、新たなチャンスに直面しています」と語った。
胡主席は、今回の訪日を「暖かい春の旅」と名づけているが、こうした命名は今回が初めてではない。
2007年4月、衆議院で中国の温家宝首相は「今回の訪問が『氷を溶かす旅』となるよう願っています」と話した。
中国側は、これまでにも両国首脳の往来を「氷を砕く旅」、「氷を溶かす旅」、「春を迎える旅」と、厳しい寒さから脱する季節の移り変わりにたとえてきた。
チベット支持者や右翼団体の抗議の中、福田首相主催の非公式夕食会が行われた。
「暖かい春」を演出する場所として選ばれたのは、東京・日比谷公園にあるレストラン「松本楼」。
中国の「国の父」と呼ばれる孫文が通い、「福田首相の父」福田赳夫元首相が挙式を行った両首脳にとって縁のある店だった。
松本楼常務取締役の小坂文乃さんは「にこやかにうなずきながら、私の説明を聞いていらした」と話した。
福田首相とともに、「松本楼」にある孫文ゆかりの品々を見た胡主席は「中日友好世世代代(せせだいだい)」というサインを残した。
その後、和やかな雰囲気の中、フランス料理に舌鼓を打った。
ここで交わされた会話について、松本楼本支店総支配人の小倉 正さんは「(食事を運んだ時に)お願いされていたパンダはいかがですかという質問をされて、つがいの2匹をこのたびご用意したというようなことをおっしゃっていました」と話した。
胡主席は、この席で先日死んだ上野動物園のリンリンに代わるつがいのパンダを貸し出す意向を示した。
また、経済協力を推進していくこと、アジアの平和発展に努めることでも両首脳は合意した。
松本楼での夕食会後、胡主席は日中国交正常化当時の田中角栄首相の長女である田中 真紀子議員に面会した。
田中 真紀子議員は「(チベット問題について意見交換は?)私は、あえて申しませんでした」と話した。
チベット問題だけではなく、日中の間には、東シナ海のガス田開発や冷凍ギョーザによる中毒事件など、問題が山積で、単に友好をアピールするだけでは済まされない状況にある。
7日に行われる首脳会談で、ともに「暖かい春」が迎えられるかが問われる。

(05/06 23:44)


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