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2008/05/06

初鰹をニューサマーオレンジで食す

Ban_gurm Dsc_7813

初ガツオのニューサマーオレンジ風味

レシピ 8人前
新鮮なカツオ   一本
ニューサマーオレンジ 二個
レモン 一個
醤油、味醂、少々 ネギ、ミョウガ、紫蘇の葉など適量

カツオはタタキで食うのが一番だ、というのがおいらの信条。刺身も悪くはないけど、表面の皮をわずかに焦がしたタタキは、なんとなく旨味が増してお得なような気がする。本場では藁で焼いたりするらしいが、まさか台所で藁を燃やすわけにも行かないので、ガスの強火で我慢しよう。さいきん流行りの電磁調理キッチンだと無理だね、ざまーみろ。

まずは、カツオを買ってくる。この時期になると駿河湾のカツオも安く出まわるようになる。今日は3kgくらいのが2000円だった。三枚におろした半身をまん中で更にわけて、一匹のカツオから計四本の身が取れる。血合いとアラはサッと湯がいて犬の餌。ウチの犬は血合いが大好きだ。犬は臭い物が好きだね。レバーも好きだし、いちばん好きなのは脱いだ靴下と、庭に落ちてる猫の糞だが。

カツオは鱗がないのでおろすのも楽だ。この棒みたいなカツオに金串を刺して、強火で炙る。皮のついた側はかなり頑張らないと焦げてくれない。身のほうはすぐに火が通るので、加減が必要。五月のカツオはまだ脂があまり乗ってないのでパチパチと爆ぜる音はしない。これが戻りガツオだと火花を散らしてバチバチ爆ぜる。おいらはあまり脂の乗ってないのが好きだ。

江戸っ子が初ガツオを好んだというのも、脂がなくてさっぱりした風味だからで、マグロにしても脂の乗ったトロより赤身が好まれた。話はそれるが、赤身といえば田子の天狗寿しのマグロ赤身は旨かったなあ。実は、マグロというのは肉と同じで新鮮なのが美味いとは限らない。熟成させる必要がある。だから、都会や山奥では美味い刺身というとマグロになる。海が近い伊豆半島ではサバだろうが生シラスだろうが何でも生でおいしく食えるので、あまりマグロにはこだわらない人が多かったりする。尾赤(アジの一種らしい)やイワシのような、東京では「生で食う魚ではない」と考えられている魚が「刺身で食うとマグロより美味い」なんて信じられている。カツオはどちちらかと言うと足が速いクチで、新鮮な方がおいしい。江戸時代には獲れたてのカツオを食べられたのは将軍さまくらいのもんで、庶民の手元に届くころには半分腐ったような状態だったらしい。

さて、ここからは諸説あって、氷水で「締める」のか、そのまま切るのか、人によって違う。一般的には氷水で締めて余熱を取るのだが、土佐では藁で炙ったそのままで食うらしい。まあ、どっちでもいいや。そんな小さな事にこだわる食い物ではないような気がする。とりあえずおいらは冷やすけどね。カツオを買うと氷がオマケについてくるので、それでザッと冷やす。余熱を取るだけなので長時間漬けてはいけない。旨味が水に溶けだしてしまうような気がする。冷やしたらまな板にのせておけば水気が抜ける。

薬味だが、これにも生姜にするのかニンニクにするのか、論争が絶えない。両方使う人もいる。おいらは生姜派。あまり良くない生臭いカツオだとニンニクで誤魔化すのもアリかも知れない。更にミョウガ、ネギ、紫蘇の葉など、適当に刻む。タマネギも良いし、ここら辺は好みだ。今回はちょっとした思いつきでニューサマーオレンジを薄切りにしてあしらってみた。おいらが子供の頃にはこんなもん、なかったね。急に流行りはじめたようだが、伊豆の初夏を告げる名物になりそうだ。食ってから調べてみたら、なんでも柚子の親戚だそうで「小夏」とか「日向夏」とか呼ぶ地域もあるらしい。黄色い表面の皮だけ包丁で剥く。中の白い皮が甘いので、それは残しておくのがコツだそうだ。知らないでホンの思いつきでやったんだが、柚子の親戚だけあってカツオのタタキにはとても似合う。しかも初ガツオと同じ時期に出てくる。使わない法はないってもんだ。

さて、このカルパッチョのソースだが、……って、おいおい、いつからカルパッチョになったんだ? タタキじゃなかったのか? ニューサマーオレンジだけでは酸味が足りないのでレモンと合わせる。絞り汁半々くらいで良いだろう。更に醤油と味醂少々。カツオのタタキには通常、ゆずぽん酢醤油を使うのだが、このニューサマーオレンジ&レモンぽん酢醤油は一層フルーティーでいい感じだ。もともとぽん酢というのは柚子の専売特許ではない。オランダ語で柑橘類の果汁を意味する「pons(ポンス)」がなまってぽん酢と呼ばれるようになったので、ニューサマーオレンジ&レモンの絞り汁でもぽん酢に変わりはない。というか、お酢が入っているわけではない。本来は「柑橘類の絞り汁」というだけの意味だ。勘違いしてる人が多いんだけどね。と、これですべて材料は揃った。たっぷりの薬味とたっぷりのニューサマーオレンジ&レモンぽん酢醤油(長いな、どうも。小夏ぽん酢でいいや)をいっぱい散らして、さあ、めしあがれ。

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価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2002-02

コメント

>ウチの犬は血合いが大好きだ。犬は臭い物が好きだね。レバーも好きだし、いちばん好きなのは脱いだ靴下と、庭に落ちてる猫の糞だが。

動物はほのぼのしますね。
平和な日本を日本人の手に取り戻したいものです。

私は高知の生まれで、カツオといえば「塩タタキ」です(ググッてください)。私も塩をふる時に生姜の絞り汁をかけますね。「塩タタキ」がこちらバンコクでは料理人にもほとんど通じません。

で、カツオの刺身の意外と旨い!方法をご紹介します。

まず、乾燥唐辛子1,2本を裂き、種を捨てて、皮の部分を刻む。浅葱を刻む。大葉を刻む。これらを醤油でひたひたにし、ごま油を1,2滴落として15分余り置く。これがタレです。
これを厚めに切ったカツオの刺身によくまぶして食べます。
どうでしょうか?お試しください。

これは美味そう!
目と口で楽めますね!
あぁ、海に囲まれた島国万歳!ってトコですね。
特亜と地続きじゃなくてマンセー!

今時分のカツオだと、刺身というかぶつ切りがいいですね~
脂の乗り切らない季節の刺身が好きです・・・(捌いて腹に虫が湧く季節になるとタタキです)

刺身には、薬味としてスライスニンニク、青ネギと大葉のみじん切りたっぷりのせて、たまり醤油でいただきます。
また炊きたてご飯に刺身をのっけて、たまりをかけていただくのも結構!!

幼少の頃は、刺身で食べるには辛くなる夏前になるとタタキになったと思います。
家庭でも、大きな七輪で藁で焼いたり、台風の後は海岸沿いで大量に落ちている松葉で焼いたりしました。
松葉も結構いけますね。
・・・で、冷水で締めた記憶は無いですね・・・熱々食べていた記憶があります。

今でも時々は高知に帰りますが、そのたびに大橋通でタタキのタレを買ってきます。
今住んでいるところもタタキは販売してますが、タレがいけません。

さて、小夏(ニューサマーオレンジ)は白い部分は食べるものと思ってました。
剥いた後のカットも独特で、下記のサイトに紹介されています。
http://www.m-ys.co.jp/konatu.html

小夏は大玉は美味しくなく・・・精々Mサイズが美味しいと感じます。
今住んでいる県は柑橘県ですが、小夏に似た「はるか」という品種が3月頃から店頭に並びます。
初めて食べた時から「小夏」みたいな食味に感じて、小夏と同じ食べ方をしましたが、小夏のような苦味がなく果汁も多くお気に入りとなりました。
しかし、当地では柑橘の種類が豊富すぎて中々一般化しません。
近所のスーパーで6個298円くらいで2月終わりから3月一杯売られていました。

柑橘県ということで、今は1個40円くらいで「清見(きよみ)タンゴール」が売られていて、オレンジの替りに毎朝食べてます。

また、料理や菓子作りに役立つレモンも地物が1個50~60円ですので
よく使います。
レモンピールなど地元の蜂蜜に漬け込んで1年中愛用しています。

県内産柑橘でほぼ1年なんとかしのげて、輸入柑橘は買いません(笑)

この季節がきましたね
こちらの市場にゃまだでとらんのですよ
去年は6/下旬で@1500だったw 安ww
トンローさん、うまそうですね今度ためしてみます
あぁ、旬を食べるのはいいですな

取れたてのカツオは、旨くないとないと言われますが氷で締まってしまう前、身が締まる前で横縞が出る直前のカツオをプロの包丁で薄く削ぎ切りした刺身に、少量の醤油にちょこっと付けたものがたまりません。

一本釣では血抜きの手間をかけられませんので、引き縄漁で上げられたものに限りますから、3キロぐらいの物だと、魚市場でも5000円以上で取引されます。

まだ続いてる「美味しんぼ」という漫画の初期の頃に、
山岡(マスターキートンの原作者がモデルとも?)が、
カツオのたたきにマヨネーズつける食い方を紹介して、
海原雄山をやりこめる回があったっけ。

あれ家でもやってみた。
悪くはないけど、毎回それで食うほどでもないという感じ。
話のタネには面白いかも。

ちなみにカツオのたたきは生姜派です。
しょう油もいいけど、ポン酢もいいな。

釣れたてのやつを即、しっかり血抜きしておく。
(できれば神経絞めも)

冷やし過ぎないように氷の上に海水で湿らせた
新聞を敷いてクーラーで保管。

正本なんぞの職人用の柳刃で刺身にする。

山葵(これ重要)と甘めの刺身醤油で食う。

まいう~。

翌日、残った柵でタタキで食う。
(私は大蒜派)

釣師のみの特権ですな。

なんでだろう今日の写真はうまそうに見えない。きっと小夏のせいだな。 魚には甘味の少ない柑橘酢しか受け付けない育ちなんだな。魚に甘い密柑とはいづこの里のならひぞや。
あはれ春風よ、心あらば伝へてよ、山盛りのシンタマのスライスに薄きカツオを並べて涙流すと。

小夏は「甘く」はないよ。といって酸っぱくもない。はっきり言って味が薄いんだが、爽やかな香りが立って、季節を感じさせるので、悪くないと思うんだけどね。

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