日本の多くの消費者は、『アメリカ農務省は米国産食肉を日本に売りたがっている』と考えている。
確かに、アメリカ大使館や、米国農務省スポークスマンは何時も同じように、米国産食肉の安全を宣伝をしているし、日本側の20ヶ月規制等の輸入規制を非難して、撤廃させようとしている。
公式発表だけを読めば、当然『日本に売りたがっている』という結論になる。
『この常識は、本当だろうか。?』
しかし、アメリカ産輸入牛肉の消費が伸びない理由は、アメリカが言うような日本側の規制処置に有るのではない。
その反対の『日本側の規制処置の甘さ』が米国産輸入牛肉の消費が伸びない本当の理由である。
アメリカ産の牛肉消費を増やす為に必要な処置は、アメリカ農務省の主張とが逆に、BSEの全頭検査や20ヶ月規制の完全遵守、徹底した危険部位の排除である。
アメリカ国内での肉骨粉の完全使用禁止処置と、日本と同等の全頭検査の導入と牛の完全な個別管理などであろう。
これ等の処置は、日本や消費者の欧米各国がアメリカに要求している事ばかりだ。
日本の消費者は安全、安心を求めている。
そしてアメリカは、日本人の求める方向と全く反対の事を、日本の消費者に対して行っている。
アメリカ政府(農務省)は口では米国産食肉を日本人に買って欲しいと言っているが、実際に行っている行動は、その逆の、日本の消費者の購買意欲を削ぐ動きをしている。
同じアメリカの口と手が、まったく相反する逆の事をしている。
口(公式声明、宣伝、広告)と手(実際の行動)と、どちらがアメリカの本心なのだろうか。?
『不思議な対日要求』
英国のことわざ『馬を川に連れて行くことは出来ても、水を飲ますことは出来ない』をアメリカ人は知らないのだろうか。?
アメリカ政府が、何よりも安全、安心を大切にする日本人の行動パターンを全く知らないから、こんな間違いをしているのだろうか。?
多分この推測は間違っている。
情報、宣伝、広報をもっとも得意とするアメリカ政府が、日本の情報を全く持っていなかったとする推測は余りにも可笑し過ぎる。
当然、私が考える程度の情報はアメリカ政府も持っている。
もしも今、日本政府がアメリカ農務省の要求どうりの規制緩和を行えば、現在の(BSE発生前に比べ)十分の一に減少している食肉輸入量(消費量)が、確実に百分の一以下に減少するのは誰の目にも明らかだろう。
アメリカ農務省の理不尽な対日要求は、日本人的には『日本人に向かって要求している』と感じるのは当然だろうが、実際には、その要求は何の役にも立たないばかりか、逆効果を生んでいる。
『日本向けではなく米国向け』
アメリカ農務省は、日本の消費者にアメリカ産肉を売る目的は、食肉の輸出が目的ではない。
農務省公式発表とは正反対に、BSE発覚前のような年間数十万トンの米国産食肉の輸出を、最初から考えていない可能性が有る。
公式声明(輸出促進)とは逆に、ほんの僅かの少量でも、名目的に日本もアメリカ基準の食肉を安全として輸入していると言う『名目的な実績』だけが欲しいのではないだろうか。?
この、アメリカ農務省の日本に向かって言っている主張(要求)は、本当は日本ではなく自国(アメリカ国内)に向かって言いたいのではないだろうか。?
世界で一番安全や安心にうるさい日本人でも食べているアメリカ牛。だから安全だ。
食品の安全基準に一番敏感な日本人が、安心して輸入しているのだから、当然アメリカ牛は安全だと、国内の3億人のアメリカ人に宣伝したいのではないだろうか。?
食肉の輸出が目的ではなく、食肉の『国内向け安全宣伝』が目的なら、これまでの一連のアメリカ農務省の不可解な行動も理解できる。
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| ブログ主様の推測は、あたっているような気がします。
実は私は彼に輪をかけて,米国は牛肉を売るのが目的ではなく,牛肉の加工時の人件費を削ることしか考えていないのでは? と考えています.
なぜなら,日本や韓国や欧州各国の言うように危険部位をいちいち検査して削っていたら,作業の時間もかかるし作業にも時間がかかる.もともと脂のかたまりのような牛肉だから労災を起こす作業員も出てくる.つまり,コストがかかりすぎるから,そんな要求には応じられないというのがアメリカのホンネなんですよ.
| 米国で糖尿病が蔓延していると聞き、日本のような保険制度がなく、肥満で苦しむ多くの米国民を目にしたとき、あれほどの文明国であるにもかかわらず、何故?と考えれば納得します。
これについては http://www.dm-net.co.jp を一度お読みになられて下さい.
そもそも,黄色人種は少しのカロリーで太りやすい.白人や黒人も30歳を過ぎるといきなり太り始めます.もっとも彼らは黄色人種の約2倍のカロリーを摂取するので,太らないのがおかしいのですが(笑)
# コーラでもハンバーガーでも日本人の約2倍食うと思って良いです.つまり「文明国」という言葉そのものが崩壊してるんですよ.
「作業の時間もかかるし検査にも時間がかかる.」の間違いです.以上,訂正.
あれは、アメリカ市民向けの安全宣言にしかすぎません。
アメリカの食肉産業は、本来輸出用には出来ていません。
アメリカの産業構造事態が(食肉に限らず)輸出に対する依存度が極端に低い構造になっています。
日本人全体のアメリカに対する、根本的な認識が間違っています。
ところが,工業製品となると,極端に輸出 (と言うより軍事力を背景にした押しつけ) に偏ってるんですよ.
典型的なのが Microsoft のようなコンピュータの基本となるOSです.今では CD-ROM に入りきらないような巨大なOSになったおかげで(笑),安定度はかなり増しましたけど,以前 NT と称してた頃は不安定でどうしようもなかったです.
時々,ATM とか自動改札機が停まる事故がありますよね.あれ,みんな NT や XP がOSに組み込まれている機械です.昔は米海軍の潜水艦やら哨戒機のメインコンピュータが暴走したという実績も持っています(笑) それに比べて,関西地方で主にOSとして用いられているオムロンの UNIX は非常に安定しており,雷で電気が停まった後も一番先に復旧するのがオムロンの ATM や自動改札機です.アメリカにとってはオムロンを潰すことばかり考えていて,今では携帯電話のOSも Microsoft が非常に多くなりました.
そういう意味では,欠陥製品を無理強いして押し付けるアメリカに対して,技術者がどうして反抗しないのか,日本人は根本的におかしいと思いますね.
# ちなみに 1980円〜2980円くらいの安いソフトなんかはインド製が多いです.家賃の安い江戸川区に多くのインド人が住んでいて,本国と行き来しながら素晴らしい製品を作っているのです.
でも指摘しましたが、貿易総額は多くても、アメリカや日本は世界でも珍しい貿易(輸出)依存度が極端に低い国です。
理由は、人口が多く、分母となるGDPや国民消費が十分に大きいからです。
何事も例外は有る。インターネットはや軍事は例外ですね。此処で例外を紹介されてもね〜・・・・・ 困るんですよ。
この記事は、アメリカの食肉産業の問題点を指摘して、日本人の陥りやすい盲点を考えていこうとしています。
アメリカにとっての食肉は、農業の四分の一を占める一大産業で、食肉業界の政界に対する影響力は侮れない。
アメリカ農務省は、食肉業界の言い分を、鸚鵡返しに日本政府に対して主張しているわけです。
しかし、アメリカ自身の食肉の自給率は97%で牛肉を豪州やカナダから輸入して帳尻を合わしているんですよ。
アメリカ農業は最も国際競争力の高い部門で食肉だけでも5兆円産業で農業分野では最大です。
しかし国内自給ができていないで輸入に頼っている。
だから、日本に輸出するのは、輸出そのものが目的ではなく
『日本にも輸出している』と言うブランドイメージの為の宣伝、広報活動が目的ですね。