癌(がん)を克服した生存者の肥満および運動不足の比率は、一般集団と同程度であることが明らかにされ、医学誌「Cancer」6月1日号に掲載された。
カナダ、アルバータ大学(エドモントン)教授のKerry Courneya氏は「癌の診断や治療は、行動を改めるきっかけとはならないようだ」と述べている。癌生存者にとっては、標準体重を維持し、定期的に運動をする健康的な生活習慣が一般の人以上に重要であるとされる。いくつかの研究では、運動と減量が癌の再発予防および生存率の向上に有効と示されているほか、運動が疲労感の軽減、身体機能の改善および生活の質(QOL)の向上に有効であることも示されている。
今回の研究では、11万4,000人強のカナダ人を対象として面接により情報を集めた「カナダ地域健康調査(Canadian Community Health Survey)」のデータを活用。カナダの一般集団の統計では、37%が過体重(overweight)、22%が肥満(obese)であるとされている。癌生存者では、運動をしていると回答したのは22%未満で、大腸癌(直腸結腸癌)、乳癌の生存者およびメラノーマ(黒色腫)の女性生存者は特に運動する人の比率が低かった。癌生存者の34%が過体重であり、約5人に1人が肥満であった。肥満の乳癌生存者で運動をする人は、癌の経験のない肥満女性の約半分であった。乳癌の予後の悪さは、肥満および座りがちな(sedentary)生活習慣に関連しており、この知見は非常に懸念すべき問題である。
Courneya氏は「どういう結果が出るかは、全く不明だった。癌の診断は生活を変える動機付けとなるのではとも考えたのだが、極めてストレスの大きい時期でもあり、その負担が逆の効果をもたらす可能性があると指摘する人もいる」と述べている。
米国癌協会(ACS)のKevin Stein氏は、癌生存者が健康に注意する必要があることを強調する重要な知見で、診断を受けたときが指導に適した時期であり、「誰にでも健康な食生活と運動が必要だが、癌生存者にとっては特に重要である」と伝える絶好の機会だと述べている。Courneya氏は、癌に関わる専門家の間(集団)で診断後の生活習慣改善の重要性についての認識が遅れており、彼らが癌患者の健康的な生活習慣の促進にもっと関与する必要があると指摘している。
原文
[2008年4月21日/HealthDay News]
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