【ただし、落とし穴に注意】
しかしながら、アニメのタイトルに使うことができるからといって、気を抜いていると、あっさり落とし穴にはまることになります。
まず、法律上アニメ・マンガなどのタイトルとして名称が用いられる分には、「著作物のタイトル」であることを理由に、商標法・不正競争法上特段問題とされないに過ぎません。
したがって、あくまでも著作物(アニメ・マンガ)のタイトルとして使用する範囲を越えると、すぐに権利侵害の可能性が出てきます。
すなわち、そのアニメ・マンガの人気が出て、将来的に商品化を行う場合、その商品の名前に、著作物のタイトルをつけた場合、もはや著作物のタイトルとして使用されているわけではなく、商品の名前として、その名前が用いられているということになるわけです。
たとえば、そのアニメ等のキャラクターを用いて、キーホルダーを作ったり、そのアニメをテレビゲーム化した場合などに、そのキーホルダーやテレビゲームのタイトルに、そのアニメのタイトルを用いたとすると、もはやそのタイトルは、単に著作物の内容を示すものではなく、その商品が誰のものかを示すものとして用いられる(つまり、「自他識別機能」を持つ)ことになるわけです。
したがって、商品化した際に、その商品のタイトルとして著作物のタイトルを用いることは、商標権侵害であり、不正競争防止法違反となりうるわけです。
そのため、仮に、他社のブランド名をアニメ等のタイトルに付けた場合、そのアニメ等を実際に商品化をする際に、アニメ・マンガのタイトルを使うことができないということになってしまうという、大きな制約を受けるわけです。
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