文部科学省の高等学校学習指導要綱の理科基礎のところを見ると、
「進化論が提唱されるに至った過程や論争の考察を通して,地球上に生活する多様な生物が進化の過程を経て現在に至ったことを進化の事例とともに扱うこと。その際,分子進化については扱わないこと。」
はっきりと「地球上に生活する多様な生物が進化の過程を経て現在に至ったこと。」と記されています。びっくりですね。現在の科学で解明されていることからは、明らかに言いすぎであり、間違っているといえるでしょう。進化論の研究者でも「いいすぎかな」というと思います。私は進化論は明らかに間違っていると思いますが、仮に、進化論の立場で指導要綱を作成するのであれば、たとえば、
「進化論が提唱されるに至った過程や論争の考察を通して,地球上に生活する多様な生物が進化の過程を経て現在に至ったとする説を検証すること。その際,分子進化については扱わないこと。」
こんな感じであれば、まだ、誠意の感じられる指導要綱といえるのではないでしょうか?
この学習指導要綱を作成された先生方に議論や苦悩があったことが「論争の考察」という言葉や、「分子進化については扱わないこと。」というところににじみ出ています。科学ですから「論争を考察すること」は不要ではないですか? 「分子進化」から進化のしくみを体系だってきちんと生徒に教えてはどうですか?(無理ですが)
これは学校での学習指導要綱ですから、言うまでもなく日本人にとってきわめて大切なものです。ほとんどすべての人が、まさか学習指導要綱が間違っているとは思いません。この指導要綱に基づき作成された、間違った、あるいは、事実と検証されていない事象を事実として記載した教科書で学んだ子供達が大人となるのです。このことを子供達が知ったらどんな気持ちがするでしょう。
そんな、大げさな! 日本では進化論が常識なんだから、進化論を学べばいいじゃないか!
理科の先生方。本当にそうお考えでしょうか? 自然科学は再現性のある、きわめて秩序だった合理性に基づく、素晴らしい学問ですよね? 理科を教えることは子供達に自然の法則と夢を教えることであり、こんなに素晴らしい職業はないと思います。疑わしいことをあえて、教科書で取り扱う必要がどれほどありますか? 現場では進化論を教えなかったり、簡単に済ませてしまう先生も多いという事実はどのようにお考えですか?
進化論の考え方は、子供達に理科ではなく、進化論、つまり、無神論という思想を教えていることになるということが、はたして言いすぎでしょうか?
欧米でも進化論は教えていますが、同時に創造論(神が地球と人間と生物を創造されたという考え)も教えています。留学したり、海外駐在で子供が現地の学校に入ったりしてこの事実を知った多くの日本人は、えっ、なんでそんな創造論なんて、非科学的なことを教えているの?と驚きます。
アメリカでは創造論と進化論を科学者、理科の先生、親、一般の人々がたいへん熱心に議論しています。日本の学習指導要綱のような断定的な書き方は許されません。徹底的な科学的な検証と議論の結果、ほとんどの進化論の考え方は否定され、創造論のいくつかな具体的な証拠が肯定されているのです。
日本の中学校や都立高校の卒業式で君が代を歌う際に起立せず、処分された先生がいました。「進化論」は理科に関して君が代よりも大きな問題だと私は思います。
あえて青臭い質問をさせて下さい。
学校は真理を教えるところですか、それとも学習指導要綱に記された内容を教えるところですか?
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コメント(3)
そういう疑問をわたしも感じていました。
日本では学校だけでなく、マスコミから世論に至るまで、世俗はすべて、進化論のみであります。新聞で、神の創造を書いた文面を見たことはありません。この世は、進化論はあくまでも説であり、創造説もなりたうのですから、りょうほうとも取り上げるべきだと私は以前から思っておりました。何とかして之をいいつづすけることが大切です。
2008/5/6(火) 午前 5:49 [ solitude7solitude ]
通りすがりです。指導要綱については別に言い過ぎでも何でもないと思います。科学だからこそ、「論争の考察」が大事です。なぜ科学的に創造論は間違いで、進化論が正しいと考えられるようになったのかを教えることこそが、科学の本質です。分子進化を扱わないのは、単に難易度が高いからでしょう。高校物理では一般相対性理論は扱わないでしょう、それと同じです。
>疑わしいことをあえて、教科書で取り扱う必要がどれほどありますか?
疑わしいことは高校の教科書で取り扱うべきではありません。でも、生物進化については相当の証拠があって、とても「疑わしい」とは言えません。地動説と同じくらいには確立された学説です。
2008/5/6(火) 午前 11:00 [ natrom ]
>欧米でも進化論は教えていますが、同時に創造論(神が地球と人間と生物を創造されたという考え)も教えています。
私の知る限りでは、創造論教育が問題になっているのはアメリカ合衆国の南部だけで、その他の国では科学の時間には進化論のみ教えられています。アメリカ合衆国ですら、創造科学は宗教と見なされて公的教育では教えられていません。
進化論裁判
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AB%96%E8%A3%81%E5%88%A4
進化論のみ教えているのは日本だけ?
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20050313
>徹底的な科学的な検証と議論の結果、ほとんどの進化論の考え方は否定され、創造論のいくつかな具体的な証拠が肯定されているのです。
それは初耳ですので、ソースを挙げてください。「徹底的な科学的な検証と議論の結果」ですから、Nature誌とかScience誌とかの科学雑誌に論文が載っているはずですよね。
2008/5/6(火) 午前 11:00 [ natrom ]