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【社会】

医師の7割が地方勤務OK 転職先ではスキルアップ望む

2008年5月6日 朝刊

 地方を中心に勤務医不足が深刻化しているが、医師専門の人材紹介業「フェーズワン」(東京)が同社に会員登録している医師へのアンケートで、70%は条件さえ合えば地方での勤務をいとわないと回答したことが分かった。

 地方勤務の条件については「待遇・施設・仕事が魅力的ならOK」が52%で、「自分や家族の出身地ならOK」の18%を上回っており、受け入れ側の態勢づくりが医師確保の決め手といえそうだ。

 仕事の魅力として、転職先の病院では「(学会認定資格の)専門医を取得したい」が42%、「症例を積みたい」が40%と、スキルアップを望む意見が八割を超えた。

 待遇面では、年収が「今より高収入を望む」は43%で、「一定額以上ならよい」が54%だった。

 勤務医離れの要因の一つである忙しさについては「今より余裕が欲しい」が51%あった一方で「同程度であればよい」が30%、「目的や報酬が見合えば忙しくても構わない」との回答も19%あった。

 同社の福山智子社長は「一定額の年収とは平均千五百万円で、開業医に比べれば低い。医師が自由に転職できるようになっており、希望に応えられない病院は選別される」と話している。

 アンケートは二〇〇七年十二月に実施、有効回答は約二千百人。

<勤務医の平均年収> 厚生労働省の07年6月時点での調べによると、民間(医療法人)病院が約1600万円なのに対し、自治体病院を含む国公立病院などは約1200万−約1400万円。病院の院長も医療法人は約3100万円なのに対し、国公立などは約1700万−約2100万円。開業医は、医療法人化して給料として受け取っている場合は約2500万円。

 

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