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【連載企画「闘う臨床医」】(3)病院がつぶれる (2/3ページ)

2008.5.6 01:59

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 病院を運営していた社会福祉法人の周田泰俊常務理事は「介護保険制度の改定で自己負担額が増え、入院患者が減った。今後、介護型療養病床を全廃するという国の方針を考えると経営の見通しが立たない。根室まで来てくれる医師も見つからず、もう選択肢はなかった」と弁解する。

 病院は長年、市立根室病院で急性期の治療を終えたものの、自宅で看病を受けられない患者や身寄りのない患者の受け皿となってきた。市保健課の竹脇秀斗課長は「家族の看病にも限界がある。病院を閉じるという方法しかなかったのだろうか」と話す。

 閉院後、社会福祉法人は病院を改修し、昨年夏に介護付有料老人ホームを開いた。だが、追い出されたかっこうの患者の大半は治療のできないホームには戻れなかった。

 「北海道は隣の自治体まで車で1〜2時間ということもざら。冬は雪で通院が困難になる。一つの自治体で医療が完結しているのが理想なのに」と竹脇課長は訴えるが、今も打開策は見つからない。

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