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【ゆうゆうLife】医療 闘う女医さん(中)ワークシェア (3/3ページ)
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夫も医療職というカップルでは、影響も増幅する。長野県内のある女性医師は、新生児を含め3人の子供がいる。ところが、復帰に当たり、保育所に子供を預けられなかった。医療系の技術者である夫が仕事を休み、育児をしているという。女性医師はパート勤務を希望したものの、職場と調整がつかず、結局、辞職したという。
育児中の女性医師3人をパートで受け入れている同大学医学部麻酔蘇生学講座の川真田樹人(みきと)教授は「夫婦共倒れになりかねないケースまである。医師不足といいながら、育児中の女性医師に保育の機会を与えなかったり、パート勤務の希望を受け入れなかったりすることで、結果的に地域から医師を流出させている」と指摘する。
育児をしながら現場にとどまる長谷川さんは、今後の課題について「院内保育所の整備などは不可欠。さらに、勤務形態の選択肢を複数用意し、働く側が環境や条件に合わせて選べるようにならなければ難しい」と指摘する。そのうえで、「子供が病気になったり、学校行事があったり、母親業は日々状況が変化する。その対応はなかなか難しいけれど、せめて上司であれ先輩医師であれ、その都度の悩みを理解し、受け止めてくれる場所がほしい。そうしたことも離職防止につながるのではないか」と話している。