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地球緑化は“粘土団子”から
福岡正信さんに平和の生態学を学ぶ。

アフガニスタンをはじめ、21世紀に入っても地球上で紛争が絶えない。
 中東、アフリカ、南米……、紛争地はいずれも砂漠化などで大地が“死んで”生命力の弱い地域である。しかもそこに降り続けるのは、枯れた大地を潤す雨ではなく、生命破壊を目的とした爆弾である。
 テレビから流れるそうした地域への空爆の様子を伝える映像を見るにつけ、同じ空爆なら“粘土団子”による「緑の空爆」を夢見る。紛争地帯の枯れた大地に、自然農法家の福岡正信さんが考案し、数々の地球緑化の実績のある野菜や果物の種の入った粘土の団子を空からばらまくのである。
「粘土団子による緑の空爆」は人類の国際紛争を平和的に緩和する唯一の“手段”かもしれない、BIO-Cityは心底そう思う。

福岡正信(ふくおか まさのぶ)
1913年、愛媛県伊予市生まれ。横浜税関植物検査課などを経て、戦後より自然農法一筋の百姓に打ち込む。1950年、米麦連続不耕起栽培技術を完成、自然農法を確立。『自然農法 わら一本の革命』(1975年)が世界17か国で翻訳されたのを機に、国際砂漠防止会議に招かれ、自然農法による砂漠化防止を勧められる。アフリカ、アジア、アメリカなどの国々で粘土団子を空から蒔き、自然農法を説いて回る。この地球緑化の取り組みが評価されて、88年にインドの「最高栄誉賞」、フィリピンの「マグサイサイ賞」など数々の国際的な賞を受賞。著書は『自然に還る』『無I, II, III』など多数。


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