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四月初日の少年少女(一話完結)
日時: 2008/04/02 04:51
名前: あんだ〜りっぷる

間に合わなかったorz
エイプリルフールネタです。二日ですが。
短いのでさらりと読んでいただけると喜びます、私が。


◆ ◆ ◆



「ハヤ太君、今日は何月何日だろうか」

「四月一日ですね」

春も麗らか、とはいかないまでもフラワーパウダーが順調に人々を苦しめるこの時期。
過程は一切無視して結果だけを言うのなら、何の因果か僕こと綾崎ハヤテと、彼女、朝風理沙は二人っきりで公園のベンチに座って語らう機会を得ていた。

「四月一日、これが何の日かと聞かれれば、間違いなく四月馬鹿な訳だが」

「エイプリルフールです」

まず彼女と二人っきりで駄弁っているこの構図が馬鹿らしいと思うのは僕だけでしょうかゴッド。
この状況に至るまでには、落し物の財布を交番に届けて下着泥棒と間違えられたり、偶然通りかかったおじいさんに死に別れた孫と間違われたりなデンジャラスかつマーヴェラスな経緯があったりするのだけど、一身上の都合により省略。
手抜きって言うな。

「今日は嘘を吐いていい日、ならば嘘を吐かないなんていうのは嘘だろう」

「訳分かりません」

「というわけで、嘘を吐くぞ。今から言うことは全部嘘だ」

「宣言してちゃ意味無いんじゃないでしょうか…」

何故かえっへんという擬音が出そうなくらい胸を張って自信満々にのたまう朝風さん。
それなりに裕福な胸部はたゆんと擬音をたてて揺れた。どこ見てんだ僕。

「こんなのはどうだろうか―――実はさっきお金を拾ったんだ」

「本気でどうでもいいです。ていうか最近朝風さん桂先生に似てきてませんか、お金に意地汚いところとか」

「似てない似てない。そういうハヤ太君こそ、ウチで飼ってる金魚に似てきてるぞ」

「なんで金魚なんですか。せめて哺乳類に似たかったです」

一応言うと、朝風神社で飼われている金魚と面識は無い。ワニはあるけど。

「そういう問題なのか…んじゃあ次いくぞ―――ハヤ太君、先生が呼んでたぞ? 雪路が単位の計算間違えてて何人かは留年騒ぎらしい」

「それは…微妙に性質の悪い嘘ですね、絶対無いとは言い切れないところが」

というか、桂先生ならやりかねない。

「まぁ、雪路だしな」

「桂先生ですからね…」

なんとなく気が重くなって息を吐き出した。
最後の学年くらい、あの人に振り回されずにスクールライフを満喫したい。

「じゃあ、次が最後の嘘だな」

「あれ、朝風さん、なにか用事でもあるんですか?」

「嘘を吐いていいのは午前中だけらしい。作為的な何かを感じるが偶然にも今の時間は11時58分だ」

自分の時計を見てみると確かに正午二分前だった。
朝風さんは何故に時計も見ずに時間が分かるんですかと。腹時計?

「あそこに時計台が見えるだろ…腹時計とは失敬な」

「ナチュラルに人の心読まないで下さい」

「読心術は女子校生の嗜みだよ…早くしないと十二時になっちゃうじゃないか」

「それって僕が悪いんですか?」

「はいはい、じゃあいくぞー……








           なぁ、ハヤ太君。実はずっと―――君の事が好きだったんだ」



「ぶふっ」

クリーンヒット。
何故か上目遣い涙目で放たれた爆弾は確実に理性とか何とか必要なナニカを奪い去っていきました、まる
…いやいや、嘘。嘘なんだからここで動揺したら思う壺だろ、落ち着け僕。びーくーる、びーくーる。
気取られないように朝風さんを横目で見る

ニヤニヤとニタニタとこっちをしたり顔で見ています、手遅れだチクショー。

「べ、別にトキメいたとかそんなんじゃないんだからねっ!」

苦し紛れにツンデレってみましたが、何か?

「………」

少々の沈黙の後、朝風さんは僕から一歩引いた。
え?っていうかコレって自爆?恥ずかしい事やっちゃった?

「あははー、ハヤ太くんは面白いなー」

「ちょっ、なんで棒読みなんですか! 一世一代のボケを返してくださいっ!」

わたわたと手を振って叫んだ。はずかしさでで顔が熱い。
朝風さんはぷっと噴出すと冗談冗談、とお腹を抱えて笑い出した。

「いや、ホント面白かった。期待以上の反応だよ」

「あー、何かすごい悔しいです。嘘と分かっててやられた事とか…」

「私の一勝ってことで。…ところでもうお昼時だな、一緒にご飯でもどうかな?奢らせてやるぞ」

「いいですけど、奢りませんよ。この時期は出費が多くて財布が寒いんです」

「うーん、まぁ良いか。行くぞハヤ太くん」

よっ、と勢いをつけて朝風さんが立ち上がってうんと伸びをした。

「今行きますよ…」

こちらもベンチから腰を上げ、軽く伸びをする。うん、良い気分。
先に歩き始めた朝風さんを追いかけようとすると、朝風さんは足を止めてくるっと振り向いて口を開いた。



























「あぁ、そうだ、ハヤ太くん。さっきの話、『今から言うことは全部嘘』ってとこが嘘なんだ」


おわり




【おまけ】

「まぁ、つまり二つ目の留年由々もホントな訳だが」



◆ ◆ ◆

やっつけ仕事感が否めないのは何故ですか。
指摘や誤字などありましたら戸惑い無くお教えくださると幸いです。

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Re: 四月初日の少年少女 ( No.1 )
日時: 2008/04/02 09:30
名前: 充電池
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=2243

多分初めまして、充電池です。 さらりと読みましたよw

エイプリールフールにハヤテと理沙の二人きりですかw なかなか奇妙なシチュエーション、しかし絶妙なシチュエーション。
にしても不幸なハヤテw 財布を届けただけで下着泥棒になってしまうとはwww
死に別れた孫とか、もうその辺りはツボでしたね、はい。

まぁ、そんなことよりも。

 >なぁ、ハヤ太君。実はずっと―――君の事が好きだったんだ」

「………」
絶句しましたね。 まぁ、あとから嘘なのかと気づいたわけですが…

 >「あぁ、そうだ、ハヤ太くん。さっきの話、『今から言うことは全部嘘』ってとこが嘘なんだ」

「………なーんだ」
なんだか平和に幕を閉じたかと思いきや、よ〜く考えてみるとこれって!!
後からじわじわときますねw
とりあえず理沙は本当のことを言っていた…と解釈。 嘘ってのは嘘…といわれると頭がこんがらがって…。
そんな感じでさりげなく大接近した理沙に拍手w そしてあんだ〜りっぷるさんに敬礼。

 (あぁもう途中で自分が何いってるかわからなくなってきた…)
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Re: 四月初日の少年少女(一話完結) ( No.2 )
日時: 2008/04/02 11:06
名前: あんだ〜りっぷる

感想ありがとうございます

はじめましてじゃなかったりするんですが、一応、はじめまして
充電池さんチャットで何度か会ってます><


>エイプリールフールにハヤテと理沙の二人きりですかw なかなか奇妙なシチュエーション、しかし絶妙なシチュエーション。
>にしても不幸なハヤテw 財布を届けただけで下着泥棒になってしまうとはwww
>死に別れた孫とか、もうその辺りはツボでしたね、はい。

正直このシチュエーションまで真っ当な流れで持っていくのは無理でしたw
ちなみに孫と間違われた後色々あっておじいちゃんとその息子夫婦と共にお墓参りに行きました。良い話。


>絶句しましたね。 まぁ、あとから嘘なのかと気づいたわけですが…

ここはぱっと見で嘘だと分かるようにしたかったんですがw
ここで「もう十二時過ぎてたから最後のはホントなんだよ!」「な、なんだってー!!」っていう流れにしようと思ってたんですけど、微妙に変更しました。


>とりあえず理沙は本当のことを言っていた…と解釈。 嘘ってのは嘘…といわれると頭がこんがらがって…。

ここもすぐに分かるようにしたかったんです><
嘘の嘘はホントって事でw


感想の返信なんて滅多にしない(貰えないから的意味で)から書き方が分からないですw
これで良いんでしょうかー

改めて感想ありがとうございました!

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