■チベット族女流作家、オーセルさんのブログの紹介の続きです。仕事のあいまにとろとろやっています。まだまだつづきます。記録ですので、飽きるかもしれませんが、あとで何かこの事件を振り返ってものを考えるときに、きっとお役に立つはずです。
■1万字を超えたところで、新しいエントリーに。しかし、寺で「愛国主義教育」「反ダライ集団宣伝」の強要が行われ、それがデモを引き起こし、それを武力弾圧するパターンが多すぎる。オーセルさんのブログに書かれていることを信じれば、これは、もう中国側がチベット族を徹底的に弾圧する口実をえるために、わざと挑発しているとしか思えないです。チベット仏教においては、ダライ・ラマは信仰の対象そのもの。その否定を強要するのは、宗教弾圧にほかならない、と私は思うのですが。
■歴史的にみて、この世でもっとも苛烈な抵抗を呼ぶのは宗教弾圧だということを考えれば、中国に少しでも平和的解決を望むなら、これはぜったいやっちゃいけないことではないでしょうか。「中国人は小悪党」「中国製品はがらくた」とCNNキャスターにコメントされて、中国人民は侮辱された激怒された、と怒っていますが、それなら「ダライ・ラマは人面獣心の悪魔」といった発言、チベット族とチベット文化とチベット仏教すべてを侮辱する発言は、何なのか?と私は問いたいですね。
■では、時系列:…のつづき。
■4月15日
■4月11日にデプン寺で発生した事件が有る程度あきらかになった。Phayulネットサイトの報道:チベット人権民主センターの信頼出来る消息筋による実証された情報によると、チベット自治区政府はデプン寺に対し、「法制宣伝教育工作チーム」を派遣し、「愛国主義教育」と「反ダライラマ集団」の宣伝活動を展開。これが僧侶らの一致した反対にあった。工作チームは大量の軍警を呼び、抗議する僧侶を制圧、若干のチベット族僧侶が拘束された。騒擾と「愛国主義教育」に抗議したとして、軍警に連行され、目下どこに拘留されているか、詳細はわからない。中国国営メディアの新華社が4月13日に「工作チーム」がデプン寺に進駐した事件を報じたけれども、報道では、抗議と僧侶の拘束の状況については、隠蔽されていた。武装警察はデプン寺に通じる全ての道路を封鎖。寺院の警察は、僧侶の行動の自由を制限し、信徒を含めた外界の訪問客を寺院に入れることを禁止している。ある情報によれば、デプン寺の拘束された僧侶は、ラサ曲水とナクチュ方面にそれぞれわけて連行されたという。
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■昨日(14日)朝、カム(チベット自治区チャムド地区)の芒康県で、僧侶と民衆が平和デモを行い、その後、大量の軍警察の鎮圧にあった。この抗議活動において死傷者、逮捕者がでたかは目下不明。ちかごろ、当局は芒康県の名刹維色寺で、「愛国主義教育運動」を展開しており、僧侶の反対に遭い、その後、寺の僧侶全員が寺から出て行き、拒絶を表明していた。
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■3月17日、北京中央民族大学のチベット学生がろうそくをともして抗議の座り込みを行った。学部生、研究生を含む。学校側の確認によれば参加した学生は140人前後という。さっき得たばかりの情報によると、近日、中央民族大学のほとんどのチベット族学生のクラスは会議が開かれ、座り込み抗議に参加した学生はすべて今週金曜(18日)前に、検討書を提出することを学校側に要求され、もし検討書を書かなければ、懲罰にあうかもしれないという。もっか、懲罰について詳しい説明はなく、あとになって知ることになるという。
■きょう、ラサでは指名手配犯の放送がテレビでなかった。昨日放送された第25号指名手配令では4人の僧侶が指名手配された。セラ寺の学経のチベット自治区外のチベット地域からきた僧侶だが、すでに逮捕されたという。
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■各種の「ダライ集団の犯罪行動をあばき世論で叩く」批判措置が行われ、会議などで、人々は批判発言し批判文を書かされている。小学生ですら、批判文を書かされ、ラサ第二小学校のある小学生は「今回の組織的な謀略活動は私のママが画策したものだ」と(間違って)書くなど、笑うに笑えない笑い話のような事態がおきている。
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■アムドのチベット族の話によれば、14日夜、アムド(甘粛省甘南チベット族自治州)夏河県のラプラン寺で、大量の軍警が包囲し寺院に進入。すべての僧坊を捜査し、一部反抗的な僧侶をなぐり、僧侶の持ち物を壊し、僧坊の中のダライ・ラマの写真を破り捨てたのち、200人近い僧侶を連行、取り調べと虐待を行ったという。15日、一部の僧侶は釈放されたが、その他の僧侶は拘留され続けている。もっか、甘南州では少なくとも3000人のチベット族僧侶と民衆が拘束されているという。少なからぬ人たちが釈放され続けているとはいうものの、これには罰金を払ってやっと拘束を免除されるのである。罰金額は、情状によって違い、少なくて2、3000元、多くて数万元。当局は罰金を軍警の支出にあてるという。
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■4月17日
■2カ月前の2月11日の夜、青海省黄南州同仁県で、当地の寺院が法会を開いたところ、軍警により邪魔され、多くのチベット族僧侶、民衆の不満を引き起こした。彼らが宗教の自由とダライ・ラマへの長寿への祝福をさけんだところ、当局は催涙弾で制圧、200人以上の僧侶と民衆を狂ったように捕らえた。翌日、数千人の僧侶が、県城でデモを行い、拘束された僧侶や民衆の釈放を要求。当局はこの圧力をうけて、拘束者を釈放せざるをえなくなった。しかし、3人の僧侶と一人の老人が殴られて重傷をおい、青海省病院に搬送された。その後、当局は西寧、鄭州からの特別警察の増員をうけ(ホテルには鄭州特別警察を歓迎、という垂れ幕がかかげられた)、その兵力をもって、いわゆる2・11事件はいったんは収まった。しかし、これは3月10日以降、各地で同様の事件が次々発生し、チベット族の抗議が拡大していく序幕であったといっていい。
■3月17日、隆務寺の僧侶全員が、ダライ・ラマを祝福する仏事をおこない、その後市内で民衆とともに平和デモを行った。周囲の民衆がみな泣いて止めようとするなか、ある僧侶は憤怒のあまり自ら手首を切るなど情動にかられる事態があった。このとき、軍警は高度の警戒態勢をしいていた。この後、同寺のシャリツァン活仏の調停により、地元政府に対し、軍は寺院をパトロールせず、寺院内に設置された監視カメラ設置も撤去し、道理のとおらない仏事の妨害を禁止すると申し入れ、当局も同意した。
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■4月17日、午前、つまりきょう、隆務寺の一部僧侶は県政府にを訪れ、拘留されている僧侶や民衆の状況を問い合わせた。しかし政府は相手にせず、回答しなかった。これら僧侶は寺に帰る途中、武装警察、特別警察に包囲され、その場で20人あまりの僧侶が、民衆が哀願して止める中、連行された。また、その後少なからぬ人が連行された。時間は正午ごろだった。現地の人がいうには、当時、逮捕された僧侶や民衆100人以上が4台のトラック詰め込まれていた。そのうち一人は活仏で、法名を卡索といい、人望があり60才近いという。かれは、僧侶は警察を諫めたときに捕まったという。この期間、僧侶も民衆もなんら反抗的行為はしておらず、ただ、請願と訴求を行っていただけだった。
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■ 14日、アムド(甘粛省甘南チベット族自治州)の合作市と夏河県で、ラプラン寺が軍警の捜査と逮捕にあったほか、合作市の加茂貢寺、卡加曼寺,夏河扎油郷扎油寺、唐尕昂郷麻竜寺、吉倉郷唐賽寺、唐尕昂郷扎西寺などが軍警の捜査にあった。
■15日,夏河奥呉睫莫寺も軍警の捜査にあい、9人の僧侶が逮捕された。中国当局はこれについて、警察側が当地の群衆の通報をうけ、一部寺院で捜査をおこなったところ、銃や刀、爆発物など違法な武器を摘発したと発表。チベット族にテロ分子の罪名をきせるために、チベット地区のその他の寺院を引き続き捜査するのだろう。
■ 4月10日の中国国営メディアの報道によれば、ラサの3・14事件発生後、公安機関はすでに、焼き討ち略奪打ち壊しの容疑者として、953人を刑事拘留し、362人の容疑者が自首、そのうち328人をすでに釈放しているという。刑事拘留されたうち、403人が検察当局の批准をえて逮捕され。93人が指名手配をうけながら逃亡していたが、13人はすでに逮捕し、うち9人の指名手配犯が自首したという。
■ きょう、ラサではテレビで指名手配の放送はなかった。ただ、チベット語、中国語のチベットテレビ文芸チャンネルとラサテレビでは、一部の指名手配取り消しの通告があった。十数人、多くが僧侶で、11日のデプン寺で、ダライラマの批判強制に抗議して捕まった僧侶らだ。指名手配取り消し理由は、すでに自首し、逮捕されたからだという。指名手配犯119号、123号の不法分子は、すでに罪をみとめたので、指名手配を取り消したという。
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■アムド(青海省黄南周)同仁県では、きのう200人の僧侶民衆が逮捕され、同仁県公安局に拘留されている。しかし、もっか、これより詳しい情報はない。現地の名刹・隆務寺は軍警に包囲され、進駐されている。寺は封鎖され、信徒、観光客の参観は禁止されている。
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■4月19日
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■北京のチベット族があつまる職場、たてば中国チベット学研究センターなどでは、ラサの3・14事件および周辺のチベット自治州での事件発生について、批判書「ダライ分裂集団を深く批判する」を書くよう職員に要求された。
■北京チベット病院のすべてのチベット族職員は派出所にいって身分登記するよう要求された。中国社会科学院、国家民族委員会、民族出版社、中央民族大学などの機関で働くチベット族食品は学習会を開くよう要求された。「潜在的な安全危機」を抑制するためという。
■北京の各大学でチベット族学生に対する〝異常予防措置〟がとられた。あるチベット族学生は、「教師は私たちのところにきて、派出所の人がわれわれに資料を提供するよう求めた、と話した。学校はそれで、少数民族学生に対し特殊なアンケート調査を行い、党員を派遣して、私たち一人一人の言動、挙動を調査しにきた…」と書いてきた。
■北京のチベット中学および北京その他のチベット族が学生がいる中学も同様の厳格な防備措置がとられ、外界との接触も禁止している。
by red-bean38
アンチCNNに紹介されました…