【北京・浦松丈二】5日付の中国共産党機関紙「人民日報」によると、チベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世の代理人と同党統一戦線工作部幹部が4日、中国広東省深センで行った非公式協議は「適当な時期に再度接触する」ことで合意し、同日中に終了した。
中国側は協議で、チベット暴動の鎮圧について「社会安定と国家の法制、人民の利益を守るため完全に正確な処置だった」と正当化。次の接触、協議の条件として(1)中国からの分裂活動(2)暴動の画策・扇動(3)北京五輪の妨害・破壊活動--の停止を求めた。
ダライ・ラマ側は政治犯として服役しているチベット人の釈放や対話の継続などを要求した模様だが、中国メディアは「関係する問題について考え方を説明した」と伝えるにとどまっている。
中国側はダライ・ラマ側の「言行一致」を希望すると表明しており、当面は協議後の国際社会やダライ・ラマ側の反応を見守る方針とみられる。
毎日新聞 2008年5月5日 19時49分