２００５年１０月５日
今日は、神戸メリケンパークオリエンタルホテルから、ピンクリボンカクテルの写真を頂きましたので掲載します。先日、９月３０日に、ウオークゲストの方々と一緒に飲んだものと同じです。１０月中、同ホテルで楽しむことができます。
ちょっと長いお話です・・・。
さて、今日、準備していた案件のクレームはゼロでした！
実は、今日、朝日新聞朝刊（東京版）のイベント朝日という催事紹介ページに、「ピンクリボンデザイン大賞」の結果報告の記事を写真付きで掲載しました。そこに大賞作品も紹介させて頂きました。ヤフー上でも発表になっていますように、「胸」がﾄﾞﾊﾞｰﾝと出ている作品で、これにクレームが集まるのでは！と、対応マニュアルを作っていました。
実は、この企画は、今年初めて立ち上げたものです。
従来は、事務局でメッセージ広告を作ってきましたが、公募して、乳がん検診を呼びかける強いメッセージ性のあるｸﾘｴｲﾃｨﾌﾞを、広告やポスターとして活用していきたい！と思い、立ち上げました。
宣伝会議さんから特別協力を頂くことで、プロの方々の参加を多く頂き、とてもクオリティの高い作品が集まりました。もちろん、ヤフーさんからも特別協力を頂きました！
ポスター部門に１１１４作品。コピー部門に、６１９２作品。
初回にしては、作品数の多さは異例中の異例！だと宣伝会議さんからも驚きの声を頂きました。
ですが、苦労はここから始まりました。
ポスター部門の大賞作品は、駅張りを予定しておりました。しかし、交通広告などの審査に通らず、別作品から選ばなくてはならなくなりました。
審査委員長から、優秀作品から協賛企業さんが「よし」とするもので選んでは？とアドバイスを受けました。しかし・・・優秀作品３点のうち、１点は、同じように胸が露出されており、駅媒体はＮＧ。１点は、キャッチは優れていますが、啓発ポスターとしては使用が困難。
そして残る１点。
「できちゃった」というキャッチの作品を、企業さんに見て頂いたところ、色々と賛否両論ありましたが、了解をとり、ポスター化に着手しました。
デザイナーさんは、ご自身のデザインがポスター化されると、非常に喜んでくださって、徹夜作業で、短い期間で原稿を手直しし、１０月１日の掲載を目指して、本当に努力してくださいました。頭が下がる思いで、また、この熱意に、感激もしていました。
と・・・ところがです。「やはり、このデザインは、いかがだろうか？」という声があがってきました。（もともとありましたが・・・）
「乳がん患者の方がこれを見たらどう思うか？」というご意見でした。
早速、患者会の方々にデザインを見て頂きました。
すると「赤ちゃんは出来たら嬉しいけど、乳がんは辛い。それを一緒にしているところがデリカシーにかける」
「患者さんの中には、治療中で、赤ちゃんを我慢している人もいる。そういう人の気持ちを逆なでする」
「乳がんを告知された時は、本当に死を意識し、もうダメだ！と思うものなのに、こんな簡単な言葉で表現されると、いい気がしない」
などなど、否定的な言葉。グサグサ胸に突き刺さりました。
デザイナーさんの意図は、「何だろうこれ！」っと興味を持って頂き、検診の大切さを知ってもらうための文章をよりしっかりと読んでもらおう・・・というものでしたし、ユニークで「おや！」と一目をひくデザインでもありました。
個人的にはとても気に入った作品でもありました。
ですが・・・このような批判を浴びては・・・このまま続けることが出来なくなりました。
結局、この作品のポスター化を断念。全ての作業をストップさせ（もう、印刷する寸前でした）、駅張りの枠も全て手放し、再度押さえ直す作業に入ることになりました。
ピンクリボンフェスティバルは、幸せのキャンペーンと銘打っています。それを、メインポスターを見て、不愉快になる人が１人でもいれば・・・キャンペーン自体を傷つけることにもなりかねない。全てをゼロにする判断をしました。
ですが、徹夜作業をしてくださったデザイナーさんに、大迷惑をかけてしまったことが、一番の気がかりであり、正直、どうお詫びしていいものか・・・。 心が痛みました。
上司と、深夜にお詫びに行きました。
「誰かが嫌な思いをした段階で、その作品はよい作品ではない」
「気にしないでください」
「来年はもっと良い作品を出します」とおっしゃってくださった時は、また、涙が出そうになりました。
あまりにも、私たちの考えが甘く、配慮のなさが、結果として、一生懸命やっている人に迷惑をかけてしまうことになりました。
こんなにも難しいものだとは、正直想像していませんでした。
結局、入選作品をポスター化することで落ち着き、現在に至っています。
審査委員長や協賛会社さんからも、色々あるが、決してやめては行けない。継続することが大切だ！と励ましの言葉も頂きました。
本当に、ｱﾅだらけの企画でした。情けないです。
ですが、この反省を生かし、素晴らしい誰もが納得出来る企画していけるよう、そして、このピンクリボンデザイン大賞を受賞することが名誉なことになるよう・・・育てていきたいと思っています。
「こんなこともあったよね」と言える日がくるかしら・・・。
ちょっと恥ずかしい裏話しでした。
|