
10月7日・六本木ヒルズで開催される「ピンクリボンスマイルウオーク」
http://www.asahi.com/pinkribbon2006/は、6キロの部A以外は当日受付を行います。ぜひ、ご参加ください。
さて、今回も、2004年にこのイベントでマンモグラフィー検診をして、乳房の難病が発見された方の手記です。この方は、メディアの方で、実名で、アサヒコムに手記を寄せてくださっております。
「マンモグラフィ?何それ?」。一昨年まで、それほど乳がん検診に対して無知だった私。そんな私が、おっぱいに違和感を持ち始めたのは、2004年の春のことでした。痛み、と呼ぶには大げさな、何となくピリピリした感じが左胸から脇あたりに時折起こるのです。
そういえば、とっくに三十路も過ぎているのにそれまで一度も「おっぱい」を病院で診てもらったことがないと気づきました。女性の病気といえば気になるのはやはり、おっぱいよりも子宮・卵巣系。月経不順や生理痛などで何かとメンテナンスの必要性を訴えてくるもの。それでつい、おっぱいの方はおざなりにしていたなあと。
インターネットでおっぱいの検診について調べてみると、主にお医者さんの視診・触診、超音波(エコー)検査、マンモグラフィに分けられるようでした。初めて知る、マンモグラフィという言葉。触診ではわからないしこりなどを発見できるレントゲンで、大病院にはたいてい設置してあることも知りました。好奇心も半分手伝い、マンモグラフィを設置している大病院にいざ検診へ。
お医者さんは丁寧に触診をしながら、「何も異常は見当たりませんね。念のためにエコーをやっておきましょうか」と、エコー検査に。「やはり何でもないですよ。ホルモンバランスのせいでしょう」と、そこで検査は終了しました。ほっとしながらも、「マンモグラフィはやらないのですか」と尋ねると、「あれは、エコーで異常が見つかったときだけ。あなたは大丈夫」とのこと。ふーん、そういうもんなんだあと、その後も同じく、左胸にピリピリとした違和感は感じながらも、半年近くを過ごしていました。
そして秋になりました。出版社で編集の仕事をしている私は、『オンナの病、駆け込み本 女医さんのいる全国病院ガイド』という本を出版することになり、<ピンクリボン>の存在を知ったのです。その仕事がきっかけで、ご親切にもピンクリボンの主催者の方より、「ピンクリボンフィスティバルの際、よかったらマンモグラフィを体験しませんか」とおっしゃっていただき、私は生まれて初めてマンモグラフィを受けることになりました。病院では受けられなかったものが、ピンクリボンのイベントで受けられるなんて!と感動しつつ、当日はドキドキ。「すごく痛いよ」などという噂を聞いていたのですが、いざ受けてみるとそれほどの苦痛もなく、あっという間に検査終了。
そして数週間後、検診に協力した病院から一通の封書が届きました。そこには、要精密検査と書いてありました。マンモグラフィ検査の結果、左乳房に異常が見つかったのです。あらためて、春に検査を受けた病院とは別の病院を探し、精密検査を受けてみると、かなり大きな塊が左胸に見つかりました。私のケースはかなりまれなものらしく、触診やエコーではなかなか見つけることができないとのことでした。
……あのとき、ピンクリボンのイベントで検査を受けていなかったら、私は「ホルモンバランスのせい」という前回のお医者さんの言葉を鵜呑みにして、ずっとほおっておいたはずです。ピンクリボンを通して検診の大切さを痛感しました。最初に病院に行ったときはまだ無知だったのですが、こちらが希望すればマンモグラフィ検診を実施してくれる病院やクリニックはたくさんあるんですね。そして、一番大切なことは、たとえ今年異常が見つからなかったとしても、来年も必ず検査を受けることではないでしょうか。そして、<ピンクリボン>という言葉を目にしたり耳にしたりするたびに、「私のおっぱい、元気かな?」と自己確認していけば、乳がんが手遅れになることは、まずないと思うのです。
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