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意外に見学できる自衛隊基地

陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区)の広報センター「りっくんランド」は見学者に人気が高い

 自衛隊をめぐる議論が熱を帯びている。その割に自衛隊がどこで何をしているのか、実際に知る人はそう多くない。だが、自衛隊は門を全く閉ざしているわけではない。各地の基地・駐屯地で時に開かれる見学・公開イベントは自衛隊の今をうかがい知る格好のチャンスとなる。

 陸上自衛隊の朝霞駐屯地(埼玉県朝霞市)にある陸上自衛隊広報センターは陸自の装備や活動を知る最高の機会を提供してくれる。入館は無料で、事前の手続きも不要だ。

 展示物は対戦車ヘリや90式戦車などの乗り物に加え、各種の武器、装備品などがずらり。装備体験コーナーや試着コーナーもある。館外には自走高射機関砲、装甲戦闘車、自走榴弾砲などが展示してあり、陸自の持つ武器・装備のイメージがかなりはっきりつかめる。

 小銃、機関銃などの銃器類、砲弾、弾丸などの実物も並ぶ。射撃シミュレーターは列ができるほど人気がある。

 同駐屯地内の見学ツアーもしばしば催している。次回は4月24日だ。自衛隊体育学校の見学や、自衛隊の食事体験といったイベントに参加できることもある。

 事前の手続きが必要ないのは、大型トラックの体験試乗。陸上自衛隊の大型トラックに乗って、朝霞駐屯地の桜回廊を眺めることができる(4月6日まで、広報センター休館日と5日を除く)。「こどもの日フェア」(5月5、6日)ではレンジャー訓練の体験や自衛隊車両への試乗などが計画されている。

 航空自衛隊入間基地(埼玉県)は毎年、、春に一般市民を基地内に迎え入れている。しかも、普段は立ち入れない滑走路を歩かせてもらえる。今年も「入間基地ランウェイウォーク2008」が5月10日、開かれる。

 滑走路と誘導路の計約4キロを歩ける。同基地が保有する航空機の一部を見ることもできる。音楽隊演奏、歩哨犬訓練展示なども予定されている。

 参加希望者は往復はがきで申し込む。定員1000人を超えると、抽選になる。はがき1枚で5人まで申し込める。今年は4月18日が締切だ。同基地サイトには申し込み要領が掲載されている。

 幅約45mの2000メートル滑走路を歩くのは、航空機ファンにとっては特別な体験になるはずだ。2007年の公開時には野外炊飯車で作ったカレーライスも振る舞われた。

 入間基地は18個の部隊と約4300人の隊員を抱える、航空自衛隊で最大級の基地だ。首都圏・中京・京阪神を含む最も広い防空空域を担当する中部航空方面隊の司令部もここに置かれている。自然災害や航空機事故、海難事故などの際に出動する航空救難部隊の司令部も入間基地にある。保有している航空機は輸送機を中心に約50機。戦闘機はない。

航空自衛隊浜松基地内に作られた浜松広報館(愛称エアーパーク)

 相次ぐ米軍兵士の不祥事をきっかけに、米軍基地にも関心が高まっている。日本人は米軍基地に見学に入れないと思っている人が多いようだが、必ずしもそうではない。

 東京都多摩地域にある米軍横田基地は毎年、日米友好祭を開き、基地に一般市民を迎え入れている。今年は8月23、24日を予定している。

 飛行機の展示のほか、パラシュート降下、楽団演奏など、様々なイベントが開かれる。アメリカングッズの販売、飲食ブースの出店も来場者のお目当ての1つだ。夜には花火も打ち上げられる。

 ゲートでは国籍を確認できる写真付きの身分証明書の提示を求められる。持ち込める荷物の制限もある。

 長崎県佐世保市にある米海軍佐世保基地は3月、一般市民の見学を受け入れた。佐世保市では体験型観光の可能性を探る試みが進んでいて、佐世保の歴史に深く関わる海軍の歴史をテーマにしたツアーも有望な観光資源として検討の対象になっている。魅力的なコースを作るために、3月にはモニターツアーの参加者約20人が米軍基地内に立ち入りを許された。ツアーが定例化されれば、県外の一般旅行客も米軍基地見学に参加できる道が開かれる。

 航空自衛隊の浜松広報館(エアーパーク、静岡県浜松市)では練習機の再発進訓練を見る機会もある(当日のフライト予定による)。資料館には戦闘機の技術や空自の活動などを紹介する展示が集められている。

 見逃せないのがミュージアムショップの「TSUBASA」。航空自衛隊仕様のキューピーやストラップ、カレンダーなど、空自関連のオリジナル商品が手に入る。

 陸自は公式サイト内の「広報センター」ページで、見学・公開イベントの情報を提供している。

 「戦車体験試乗ツアー」はこんな体験が本当にできるのかと、目を疑いたくなるようなイベントだ。富士の裾野で本物の戦車に乗り込める。今年は6月29日に開かれる。申し込みの締切は6月15日だ。広報センターに来館し、申込用紙に必要事項を記入する必要がある。抽選でペア35組計70人と、中学生以上の個人30人が参加できる。参加費は1000円だ。

 陸自のヘリコプターで大空を飛ぶヘリ体験搭乗も人気の高い催しの1つ。希望者は同サイトをこまめに見ておこう。

航空機事故対策の初の夜間訓練で事故機から負傷者を運び出す自衛隊員ら

 空自のブルーインパルス展示飛行のような催しは、空自公式サイトの「イベント情報」ページで紹介されている。各地の基地がそれぞれ催す航空祭のスケジュールは年末まで公開されている。

 各基地の航空祭や見学イベントは内容に差があるので、最寄りの基地サイトを個別にチェックするのがおすすめだ。例えば、比較的見学受け入れに前向きなのが、北海道千歳市にある空自の千歳基地。年間約300件、4000人を受け入れているという。

 見学時間は原則として平日の午前9時30分〜11時30分と、午後1〜3時の2回。見学料は不要だ。所要時間は約90分程度で、航空機(F−15・救難機)を見せてもらえることもある。

 事前の申し込みが必要だ。希望日の1カ月前までに申し込む。申し込み方法は同基地サイトで案内されている。原則4人から申し込める。

 基地内の見学では定められたルールを守りたい。写真撮影には制限があるケースが多い。ただ、一部のイベント・展示では撮影が認められる場合があるので、係員に確認してからシャッターを切ろう。

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