突然17歳でこの世を去らなければならなかった高校生の無念を考えると、今がどんなに苦しいとしても、もっと何かできることがあるように思われます。
次は、全国で相次いでいる、硫化水素による自殺を考えます。
福岡県内でも、先月だけで7人が死亡しています。
きょうは、周囲が巻き添えになる危険が高い、危険な現場の様子をあえてお伝えします。
こうした行動は絶対に止めて下さい。
先週、北九州市小倉北区の駐車場で、46歳の男性が、車の中で硫化水素自殺を図りました。
窓ガラスには「硫化水素発生中」と書かれた紙が張られていました。
全国各地で相次ぐ、硫化水素自殺。
消防庁のまとめでは、25の都道府県で60人が死亡し、147人が有毒ガスを吸って負傷しています。
中には、助けようとした母親が有毒ガスを吸って死亡したり、団地やホテルで大勢の人が避難する騒ぎになったりと、周辺への影響も深刻です。
4月だけでも北九州市で連続して3件、26日には古賀市でも発生しています。
2次被害を防ぐためにも、北九州市消防局は急遽、救助にあたる職員向けに対応マニュアルを作りました。
硫化水素は自然界でも、火山や温泉で発生することが知られていますが、一酸化炭素と同じぐらい極めて毒性が強く、専門家は警鐘を鳴らしています。
インターネット上には、硫化水素の作り方を解説した、いわゆる「自殺サイト」も数多く存在し、自殺の連鎖を招いています。
洗剤メーカーや薬局は、こうした事態に頭を悩ませています。
硫化水素を使った自殺の最大の問題は、2次被害を招く危険性が高いことです。
無関係の人を巻き添えにすれば、単なる自殺ではなく毒ガスを使った殺人となる場合もあります。
警察庁は、硫化水素の発生方法をインターネットに書き込むだけでも、傷害事件につながるという見解で、こうした情報を「有害情報」と見なして、プロバイダーに削除を求めています。
北九州市の現場は、多くの人が出入りする駐車場でした。
硫化水素自殺。
他人を巻き込んでしまえば、人生の最後に犯罪を犯すことになりかねません。