修行の霊場にしたたる緑
修行の霊場にしたたる緑 05/02 19:54

私たちはもっと、命や自然がそもそも持つ力を感じ取らなければならないのかもしれません。

ふと力を抜いて周りを見回せば、したたるような緑に、はっとすることはありませんか?

青葉繁れる季節です。

きょうから随時、新緑の5月の輝きをご紹介していきます。

きょうは福岡県のお隣、大分県・国東半島の新緑です。

朝日がモミジを照らすと、新緑はひときわ鮮やかに輝き出します。

九州の東に位置する大分県の国東半島。

いち早く太陽が大地を照らす土地です。

国東半島のちょうど中心にある両子寺は、平安時代から鎌倉時代にかけて、山岳修行の場となった霊場で、現代では、子授けの寺として知られています。

山門に続く石段の両脇には、勇ましい仁王像が存在感を放っています。

両子寺には、7つの不思議があると言われています。

不思議の一つ、走水観音。

山あいに建つ観音様の下から、水がこんこんと湧き出ています。

干ばつの時にも枯れることはなく、昔から「不思議」とされてきました。

山道を登っていくと、中腹に大きな岩が立ちはだかります。

針に糸を通すように岩のすき間を通り抜けていくと、煩悩が消えることから「不思議」と言われています。

今では不老長寿や子供を授かろうと祈る人が多く訪れる両子寺。

光を求めて伸びる若葉は、生命力を与えてくれます。