YASUHIRO  独り言  

    山と医療の本音トーク

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5月4日(日)

快晴の天気に恵まれ白馬主稜を楽しんできました。白馬沢左俣は予想以上に荒れてお
り試練の滑りでした。

【山域】白馬主綾+白馬沢左俣
【場所】長野県
【日時】2008年5月4日(日)
【コース】猿倉―白馬主稜―白馬岳―白馬沢左俣―猿倉
【メンバー】僕、名人
【装備】フォルクル・マウンテン 156cm,TLT,ガルモントメガライド(僕)  
    バース7 140cm,ディアミール,ガルモントメガライド(名人)
【天気】晴れ

3.00  1235m 猿倉発
3.50  1550m 白馬尻
4.41 1800m 主綾1800mアイゼン歩行
6.47  2492m 稜線2492m 
8.16 2932m 白馬岳山頂
8.39  2932m 白馬岳山頂発 白馬沢左俣へ
9.36 1550m 白馬尻
9.48  1235m 猿倉着

2008年5月4日(日)朝2時起床。猿倉駐車場は90%の混み具合、名人は朝2時半に到着。

3.00  1235m 猿倉発 今日は一応登攀装備一式を持ってきたのでいつもより重い。
ザイルは入らないかも知れないが用心に越した事はない。猿倉で50cm程の雪。ここか
ら雪は切れることなく林道をカットして歩けた。

3.50  1550m 白馬尻 暗闇の中まだ主稜に取り付くようなパーティの明かりは全
くなし。主稜下部はスキーで登り上げ斜度が急になってからスキーを担ぐ。

4.41 1800m 主綾1800mアイゼン歩行 ここで大休止しているうちに4人パーティ
が先に出る。歩き出せば速い。パーティの横を挨拶して抜かさせてもらった。この日
取り付いた先頭となる。

主稜はゴジラの背のように細かなアップダウンと切れ立ったナイフリッジが続く。白
馬沢側には雪庇が張り出すので要注意だ。たまに木や岩が出てくるので背負ったスキー
が引っかかり難儀な事もある。

主稜からだと白馬沢左俣がよく観察できる。雪は問題なく繋がっているがデブリによ
るえぐれが縦溝となっておりいやらしい。

6.47  2492m 稜線2492m この辺りで上部でテント泊していた2名パーティに追い
つき先に行かせてもらう。さらに5人パーティ、続いてまた5人パーティに追いつき
いずれのパーティも快く先を譲ってくれた。感謝感謝。

山頂直下で2名パーティが最後の雪壁でザイルを出していた。このパーティが山頂に
抜けるまで少し待つ。さあ名人ザイル出す、それともフリーにする。協議の結果トレー
スがしっかりしているからフリーで問題ないだろうと僕が先頭で取り付いた。

最後の3mが少し面倒だったが何とか山頂に飛び出せた。続いて名人も無事到着。見
渡せば主稜が一望できる。

8.16 2932m 白馬岳山頂 飛び出した位置から15mほどで山頂の看板があった。旭
岳も雪はたっぷりだ。さあ少し休んでいきますか。名人は山頂から左俣に飛び込みま
しょうと提案。雪の状態は良いから問題ないが如何せん後続のパーティが続々と登っ
てきてる。

皆さんに迷惑をかけるからこの案は却下。少し下がって離れた場所からエントリーす
る事にした。

8.39  2932m 白馬岳山頂発 白馬沢左俣へ 最初はきれいな斜面だったがすぐに縦
溝の嵐、雪もグチャグチャ。今日は試練ですね。喉は避けて小さな尾根を乗り越して
急な斜面をガンガン下る。デブリバンバンだった。足下をすくわれないように気を付
ける。

たまに大きな落石がこだまする。早く安全地帯へ急ごう。その後ノンストップで馬尻
へ急いだ。

9.36 1550m 白馬尻 もう大丈夫、後は林道を飛ばすのみ。

9.48  1235m 猿倉着 無事着きました。今日も大満足でした。帰りは渋滞もなく
楽勝だった。

本日のコースがイド,登り赤,滑降青

ゴジラの背中のような主綾

山頂直下にて

白馬沢左俣滑降


5月3日(土)

GW後半初日晴天という事で家にいても仕方がないので体力作りで近場の白山を滑っ
てきました。

【山域】白山 2702m
【場所】石川県
【日時】本日 2008年 5月3日(土)
【コース】市ノ瀬−別当出合−砂防新道−白山往復
【メンバー】単独
【装備】 フォルクル・マウンテン 156cm,ディアミール3,ガルモント(僕)  
【天気】晴れ

3.00 830m 市ノ瀬
3.44 1240m 別当出合
6.04 1970m 甚ノ助ヒュッテ付近
7.20 2450m 室堂
7.58 2702m 白山山頂
8.22 2702m 白山山頂発
9.15 1240m 別当出合
9.26 830m 市ノ瀬

前夜吉野屋で特盛を食べてエナジー万全で市ノ瀬に入る。車チラホラ。朝2時に起き
ロードにまたがり行きますか。

3.00 830m 市ノ瀬 本日もロードにまたがりガンガン漕ぐ。
除雪は別当出合まで進んでいた。

3.44 1240m 別当出合 この辺りもう雪はほとんど無い。板を担いで砂防新道へ。
中飯場の手前で雪が出てきてシール歩行開始。中飯場からは雪を繋いで進めば標
高1600m辺りで快適な雪の量となる。

6.04 1970m 甚ノ助ヒュッテ付近 小屋は頭が40-50cm出ているくらい。ここから
は俄然雪は多くなる。ルートはどこでも取れる。やや南竜寄りに進み開けた沢を稜線
に突き上げる。稜線に出て白山が見える。山頂まで雪は繋がっている。

7.20 2450m 室堂 白山へは雪が十分繋がっている東面寄りに進む。問題なく山頂
までスキーで歩けた。

7.58 2702m 白山山頂 暖かい風です。360度の展望を楽しめばもう一気に行くだ
けです。

8.22 2702m 白山山頂発 今日は単独なので写真もそれほど撮らないので早く帰れ
そうです。登ってくる登山者を横目にガンガン飛ばします。甚ノ助ヒュッテにいたお
じさんがもっとゆっくり下りればよいのにと言うがスキーはスピードが命です。
ちんたら下りるならスキーはいりません。

帰りはうまく雪を繋いで中飯場の下標高1350mまでスキーで下り板を担ぐ。

9.15 1240m 別当出合 後はロードです。これまた一気です。歩いてくる登山者多
数です。ご苦労様です。

9.26 830m 市ノ瀬 無事着きました。山頂から約1時間、スキーと自転車のなせ
る技です。

昼からかみさんを連れて街に出かけます。たまには点数を稼がないと。
明日は名人との山行が待ってます。また気合いが入りそうです。

甚之助小屋

本日の白山

別山

白山山頂の展望


5月2日(金)

新井君に捧ぐ

新井君に初めて会ったのはとろ一だった。いつものように山行前夜食事のためにとろ
一に寄ったら真っ黒に日焼けした若者が背後から@@さんですねと声を掛けてきた。
それが新井君だった。来ると思って待ってたんですよと声を掛けてきた。ちょうど彼
は立山山行から下山して仲間と食事をしていたのだった。

それまで新井君の事を今時の茶髪の怖いもの知らずの学生だと思っていた。会ってびっ
くり実に控えめなイケメンの好青年だった。早速新井君たちのパーティに意気投合し
て旧友のように食事や酒を飲みながら山スキー談義をした。食事の後僕は明日は鍬崎
山に挑戦するからと気持ち良く店を後にした。

その後彼は鹿島槍北面を滑降して世間をあっと言わせた。良くあんな場所を滑るもの
だと僕は驚いた。一方スキーは魔法の翼で無限の可能性を秘めた雪山のアイテムだと
言う事を彼は教えてくれた。その後彼は初滑降にこだわり冬季ニペソツ東面滑降など
山スキーヤーに感動を与え続けてくれた。

新井君とはその後スキーの板の事などアドバイスを頂きメールの交換なども行った。
ある時彼と初滑降というテーマで議論した事がある。自分が納得の行く滑りができて
新たなルートが開拓できれば過去に誰かがそのコースを滑った事があったとしてもど
うでも良い事じゃないかと彼に話した事があった。

ただ彼は初滑降と言う事にとても深い思い入れがあった事を今も覚えている。彼には
美学があった。今思えば命を賭けても誰も滑った事のない難コースに新たなラインを
引く事に彼の美学があったような気がする。

ただそのような難コースを滑降する事は当然リスクを伴う事で100%の成功率があ
るはずもなく、1%の失敗のリスクがあるなら100回山行を行えば必ず死を招く結
果になりかねない事に僕は不安を感じていた。

今回彼が五竜の山行でどのような事態で滑落してしまったのか本人しか知るよしもな
いがせめて偵察中ではなく滑降中であったならと祈るところである。

人生どのような生き方でもただ長生きする事だけが良いという訳ではないと思う。彼
のあまりにも若い死を肯定する訳ではないが、最後の最後まで山スキーに対する美学
を追究した生き方には感動しない訳にはいかない。

山で死んではいけない。それは当たり前の事で真実だが、だからと言って彼への僕の
想いは変わる事はない。

彼からは多くの事を学ばせてもらった。心から彼という山スキーヤーに出会えて良かっ
たと思う。そして安らかに眠って欲しいと祈るだけである。

モミ沢滑降(By名人)

左俣谷滑降(By名人)      双六周辺谷巡りのコースガイドへ


5月1日(木)

GW前半槍穂周辺は比較的空いていた。奥穂では雪が緩むのを待っていたが強風は止む気配は無かった。扇沢の状態を確かめようとアイゼンでクライムダウンしてみたがずっと雪面は氷化していた。下が全く見えない扇沢に飛び込んでもしエッジが外れたらどうなるか,結果は明らかである。僕も名人も敗退する事に迷いは全く無かった。山スキーは雪質が全てである。どのような急斜面でもザラメにさえなっていればジャンプターンで安全に下れるが氷化していれば極端に安全性は損なわれる。無理は禁物である。無理をして何かあれば自分だけでは無く多くの人に迷惑をかけてしまう。絶対に大丈夫だと思っていてさえも何が起こるか分からないのが山なのである。

夜明け前の稜線に月が輝いていた

白出のコル目指し一気に登り上げた。

雪に埋まる穂高岳山荘

白出沢も上部はアイスバーンだった


4月29日(火),30日(水)

新井君の悲報を聞いて頭の中が真っ白になりました。常に初滑降にこだわり高いモチ
ベーションと卓越した技術で新たなラインを切り開いていくその行動力にいつも感動
しておりました。いつだったか富山のとろ一で共に酒を飲みながら山スキー談義に花
が咲きました。あなたの残した足跡は山スキーを愛する人たちにいつまでも語り継が
れる事でしょう。多くの夢を見せて頂き本当に有り難う。 
                    心からご冥福をお祈りいたします。合掌。

【山域】奥穂扇沢敗退
【場所】岐阜県
【日時】2008年4月29日(火)
【コース】新穂高―白出沢―奥穂往復
【メンバー】僕、名人
【装備】フォルクル・マウンテン 156cm,TLT,ガルモントメガライド(僕)  
    バース7 140cm,ディアミール,ガルモントメガライド(名人)
【天気】晴れ

予定では新穂から白出沢を詰めて奥穂山頂に立ち扇沢を岳沢に滑り込んで天狗沢を登
り返して天狗岩から西穂沢を滑降するワンディ予定だった。

8時半過ぎに穂高岳山荘に着き雪が緩むまで1時間半ほど待機したが生憎強風のため
雪面は堅く凍っておりとても安全にエントリーできる様な雪質では無かった。山行中
も新井君の事が頭から離れず、山は逃げないからまたいつか挑戦しようと名人と奥穂
を背に白出沢を下った。

3.00  1080m 新穂高発
4.29  1540m 白出小屋
6.24  2200m 白出大滝巻いた白出沢末端
8.40  2983m 穂高岳山荘着
10.07  3190m 奥穂高山頂
11.44  2983m 穂高岳山荘発
12.52  2930m 白出沢発
1.49  1080m 新穂高着

林道の雪の状態は穂高平付近からシール歩行可能です。白出沢は出合いから穂高岳山
荘までびっしり雪は繋がっています。

標高2000mを越えると例年以上に雪は多くとても快適です。

【山域】双六岳周辺谷巡り
【場所】岐阜県
【日時】2008年4月30日(水)
【コース】新穂高―小池新道―大ノマ乗越―双六谷―双六岳―モミ沢右俣滑降―モミ
沢左俣登り返し―樅沢岳過ぎた鞍部―左俣谷―新穂高
【メンバー】僕、名人
【装備】フォルクル・マウンテン 156cm,TLT,ガルモントメガライド(僕)  
    バース7 140cm,ディアミール,ガルモントメガライド(名人)
【天気】晴れ

2.00  1030m 新穂高出発 
3.11  1430m ワサビ平小屋  
3.44  1510m 林道終点橋(小池新道入り口) 
6.22  2440m 大ノマ乗越
6.37 2200m 双六谷
8.34  2860m 双六岳
8.47  2860m 双六岳発
9.25  2250m モミ沢二俣
10.27  2670m 樅沢岳過ぎた鞍部
10.40  2670m 樅沢岳過ぎた鞍部から左俣谷
11.42  1510m 小池新道入り口
12.26  1030m 新穂高着

奥穂から戻って平湯の森でゆっくり汗を流した後、前回悪天候で敗退した双六周辺谷
巡りを楽しもうと再び僕たちは新穂に舞い戻った。夜7時には熟睡して深夜1時起床
とした。6時間も寝れば十分だろう。

僕の体内時計は深夜12時半に自然に起こしてくれた。さあ準備だ。たっぷり栄養を取
る。今日は長旅になる。

2.00  1030m 新穂高出発 林道を歩いて700m程で雪は出て、快適なシール歩行と
なる。ガンガン飛ばす。

3.11  1430m ワサビ平小屋  
3.44  1510m 林道終点橋(小池新道入り口)デブリもかなり融け歩きやすくなっ
ている。大ノマ目指して一気に高度を上げよう。
 
6.22  2440m 大ノマ乗越 無事到着。この時間雪面は凍っており快適にここまで
来る事ができた。双六谷への下りはカチカチだったがエッジを効かして快適に下った。

6.37 2200m 双六谷 この谷もデブリは少なく、歩きやすい。山頂まで660mの登り
返し。日が上がると暑すぎるくらいだ。槍穂をバックに山頂まで緩んだ雪を登り上げ
た。

8.34  2860m 双六岳 新穂から6時間半とまずまずのペースだった。この山も雪は
多く這い松や石もほとんど出ていなかった。記念写真を撮ったら行きますか。

8.47  2860m 双六岳発 山頂からモミ沢右俣に豪快に飛び込んだ。雪質もまずま
ずで大ゲレンデを自在にクルージングする。標高差600mの快楽だった。

9.25  2250m モミ沢二股 ここまで滑り込んで次は左俣を標高差で400m登り返す。
最後のガンバである。谷は広く上部の鞍部目指してガンガン登る。

10.27  2670m 樅沢岳過ぎた鞍部 フーッ着きました。西鎌の稜線が見事です。さ
あここから初めての左俣谷にエントリーです。左俣谷は上部は広くスベスベで超お勧
めだった。この時期小池新道より楽しいかも。

二人ザラメのシュプールをどこまでも刻み込んでいく。標高1700m辺りから谷は割れ
てきたが左岸沿いに問題なく進めた。後は林道に合流して小池新道出合いまで問題な
く戻ってくる事ができた。

11.42  1510m 小池新道入り口 さあ後は新穂まで消化試合だ。一気に下る。

12.26  1030m 新穂高着 思ったより早い時間に帰ってくる事ができた。
この周回コースもお勧めだと思います。GWまでなら問題ないでしょう。

奥穂の予定コース,白出ー扇沢ー天狗沢ー西穂沢 ワンディ

奥穂山頂にて

双六周辺谷巡り

双六岳山頂にて

左俣谷滑降


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これ以前はすべて消去しました。何を書いたかも覚えていません。不定期に消去しています。

一度しかない人生,毎日が完全燃焼できるような日々を送りたい。