最新記事一覧
40カ国以上の要人が横浜に/アフリカ開発会議迫りピリピリ警戒
- 社会
- 2008/05/04
五月二十八日から横浜で開かれるアフリカ開発会議(TICAD)の警備に向け、県警の緊張感が増している。主会場のみなとみらい地区に四十カ国以上の国家元首クラスが集まる、七月の北海道洞爺湖サミットにつながる国際会議。国際的な著名人も出席を予定するなど世界が注目する。参加国数が直前まで流動的な上、”アフリカならでは”の不確定要素もある。県警は「これほどの数の要人の警備、警護は例がない」(幹部)と、関係機関との調整を続けている。
参加国の首脳らは多くが横浜市内のホテルに宿泊するとみられ、県警は来県までのルートを複数パターン想定。連日、外務省と連絡を取って情報収集しながら、警備体制を詰めている。
豊富な天然資源が眠るアフリカは、国際社会にとって単なる被援助国ではなく、有望な投資相手。経済的な影響力を強めようと、各国の資源外交も活発に行われることが予想される。警備部幹部は「多数の首脳クラスが頻繁に動くことが予想され、複雑なスケジュールを把握しなければならない」と話す。
紛争の傷跡が残り治安が不安定な国もあり、各国間の関係も微妙だ。訪問する随行員や警護官と県警との警護範囲のすり合わせなど、綿密な調整が必要となる。
アフリカを巡っては、経済のグローバル化が貧富の差を拡大させているとする反グローバリズム団体の抗議活動も大きな懸案の一つ。昨年のドイツサミットではデモ隊の一部が暴徒化する騒ぎが起きた。
県警は海上保安部や臨海部のコンビナート業界と連携して警備強化を図るとともに、消防や公共交通機関との合同訓練も繰り返し実施。四月十日には小型船のテロ行為を想定した対策訓練を、同月二十四日にはNBC(核、生物、化学)テロ対応専門部隊が訓練を実施した。昨年六月から主要駅で行った合同訓練は十五回を数える。
また、同会議には貧困撲滅活動などを行う著名人の出席も予定されている。政府はロックグループ「U2」のボノさんや米女優アンジェリーナ・ジョリーさん、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長らに出席を呼び掛けている。関連イベントにサッカー元フランス代表のジネディーヌ・ジダンさんも招かれる予定だ。関連イベントの警備は基本的に主催者が担うが、雑踏警備などにも細心の注意が求められる。
県警は「警護の詳細な内容は公にできないが、参加国数が増えても対応できる」と、万全の備えを強調している。
このエントリーへのトラックバックURL:http://www.kanaloco.jp/trackback/32283/