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「風流の初やおくの田植うた」。「奥の細道」の中で白河の関を越えた芭蕉が詠んだ句である。歌いながらする田植えの光景は、旅に出て最初の風流な味わいだ、というような意味だろうか 農家の人たちにとって大型連休中は田植えで、休みどころではないようだ。今では機械化が進み、労働のつらさを紛らわせた、風流な歌声も田植機のエンジン音に変わった。だが、青々とした田んぼの苗を見ていると生命の息吹を感じ癒やされる そんな気持ちすらわかない恥知らずがいる。水戸市の湖でハクチョウやコクチョウ計7羽が頭を殴られるなどして殺されていた。また、前橋市などでは沿道に飾られていたチューリップが切断されたり引き抜かれたりしている。さらに沖縄では集団墓地で花瓶など約100個が割られた 公徳心の欠如などと難しいことは言わない。彼らには、人間として他人の痛みを感じいたわる心、生命を大事にする心がないのだ。抵抗できないものを標的にする卑怯者には自然の美しさなど分かるまい きょうは「みどりの日」。まぶしい新緑に包まれて生命の輝きを感じたい。
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