ローカルルールといえば、ゴルフコースによって独自に設けられた規則のことが思い浮かぶ。それが道路交通法で全国一律のはずの交通ルールにもあるという。
日本自動車連盟(JAF)の情報誌「ジャフメイト」四月号に、長野県松本市の「松本ルール」が取り上げられていた。法律では交差点で直進する車は対向する右折車に優先するが、松本市では右折車が直進車を差し置いて右折する。
城下町で狭い道が多い。右折車が渋滞の原因にならないようにと生まれた慣行らしい。とはいえ、事故の恐れがあり、観光客からも苦情が寄せられたため、松本市は「強引な右折禁止」を呼び掛けている。
ほかにも、やはり右折車が割り込む愛媛県の「伊予の早曲がり」、黄色信号で加速して交差点を通過する「名古屋走り」などがある。どれも危険な運転で、法律にも触れそうだ。
岡山県では三年前、早めのウインカーを促す「★合図」を車線に表示した交差点が岡山市内などに登場した。「右左折のウインカーが遅い」との県内外からの指摘を受けたものだ。たださなければならない岡山ルールといえよう。
ゴールデンウイークも後半に入り、車でのレジャーも増える。ローカルルールには要注意だが、どこでも譲り合いの気持ちを持ってハンドルを握りたい。