2005年4月3日(日)「しんぶん赤旗」
中国首相
南アジアと友好強化
印パなど4カ国歴訪へ
【北京=菊池敏也】中国の温家宝首相は、五日から十二日までの日程で、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、インドの四カ国を歴訪します。パキスタンでは、アジア協力対話(ACD)第四回外相会議の開幕式に出席し、基調演説をおこないます。武大偉外務次官は一日、内外記者団に対して、今回の歴訪で「中国と南アジアとの伝統的友好関係を強化する」との考えを明らかにしました。
武次官は、中国と南アジアの人口が二十七億人に達し、世界人口の約45%を占め、昨年の貿易額は二百億ドル(約二兆一千億円)に近づいていると紹介しつつ、双方には「広範な共通利益がある」と強調しました。
今回の歴訪で注目されるのが中印関係。両国は国境の画定問題を抱えていますが、これまで四回にわたり特別代表会議が開かれています。温首相の訪問中にも第五回会議が開かれ、何らかの共通認識に達するとの見通しを示しました。
また、インドに亡命中のチベット仏教指導者、ダライ・ラマ十四世の問題も取り上げられるとのべ、「インド側が引き続きこの問題を慎重に処理すると信じている」と発言。
インドなどが国連安保理の常任理事国入りを目指していることについて、武次官は「理解」を示しつつも、常任理事国になるかどうかは「彼ら自らの努力と、国際社会の承認にかかっている」と発言しました。