2006年11月15日(水)「しんぶん赤旗」

中国主席が4カ国公式訪問へ

アジアの安定秩序推進

印・パキスタンへ10年ぶり


 中国の胡錦濤国家主席は十五日から二十六日までの日程で、ベトナム、ラオス、インド、パキスタン四カ国を公式訪問します。ベトナムのハノイでは、アジア太平洋経済協力会議(APEC)第十四回首脳会議に出席。一連の訪問を通じて、南アジアとの関係強化とアジア全体の安定的な秩序づくりを進めたい考えです。(北京=菊池敏也)


 南アジアは、胡主席が就任後、まだ訪問していない地域です。インド、パキスタンへの中国元首の訪問は十年ぶりとなります。

 インドとの関係では、昨年四月の温家宝首相の訪印で、両国は「平和と繁栄に向けた戦略協力パートナーシップ」の確立で合意しました。両国の貿易額は今年二百億ドル(約二兆三千五百億円)を突破する見通しです。今年七月、中国のチベット自治区とインドとを結ぶヒマラヤ山脈越えの交易ルートが四十四年ぶりに再開されたことは、中印関係の改善を示す象徴的出来事でした。

 崔天凱外相補佐官は「中印はともに発展途上大国でアジアの大国。中印関係の意義はすでに両国の範疇(はんちゅう)を超えた」と、その重要性を強調しています。

 最後の訪問国パキスタンは、中国の伝統的友好国で「戦略協力パートナーシップ」を結んでいます。今年は、国交樹立五十五周年にあたります。両国は最近、自由貿易協定(FTA)で基本合意に達しています。中国側は、今回の訪問を「伝統的友好協力関係をさらに強化する重要な里程標」(崔氏)と位置づけています。

 中国は現在、APEC、東アジア首脳会議、東南アジア諸国連合(ASEAN)+3、ASEAN+1などアジアの地域協力を推進中。「南アジアでも同じような協力を展開したい」(崔氏)と積極的姿勢です。今回のインド、パキスタン両国への訪問で、どのような方向性が打ち出されるか注目されます。


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