昨年夏に除草、焼却されたが、再び芽吹いて成長しているのが確認されたレンリソウ(京田辺市・木津川河川敷) |
京都府京田辺市の木津川河川敷で昨夏に誤って除草、焼却された貴重植物レンリソウが、今春、同じ場所から再び芽を出し、順調に生育している。地中の根が生きていたらしく、地元の環境団体関係者は「今度こそしっかり保全していこう」と見守っている。
レンリソウはマメ科の多年草で、絶滅の恐れがある野生生物を掲載した府レッドデータブック(2002年)で「絶滅種」に分類されている。07年5月、同市のNPO法人(特定非営利活動法人)「やましろ里山の会」が木津川河川敷で約50株の群落を発見した。
近畿で確認されたのは約40年ぶりだったが、同年7月、国土交通省から除草作業を請け負った業者の連絡ミスで伐採、焼却されてしまった。種も残らず、群落の消滅が心配されていた。
しかし、同会員がこのほど河川敷の同じ場所でレンリソウの芽を確認。現在、焼却前とほぼ同数の株が、高さ約20センチに育っている。5月中旬には紫色の花を咲かせ、8月ごろには種をつけるとみている。
同会の山村武正常務理事は「期待していた通りになってうれしい。国には除草時期などに一層配慮してもらいたい。今後も生育を見守る」と話している。
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