ミャンマー(ビルマ)・ヤンゴン――ミャンマーの気象観測部門は3日、同国の最大都市ヤンゴンが同日早朝、大型サイクロン(熱帯暴風雨)の襲来を受け、停電に見舞われるなど大きな被害が出たと述べた。
死傷者の有無など不明だが、発生する恐れが高いとしている。2日午後には、ヤンゴン市内の川を渡ろうとしたボートが高波、強風で転覆、女性3人が水死したとの情報もある。
ヤンゴンの人口は推定約418万人。サイクロンはヤンゴンから西へ約158キロ離れたイラワディ川流域のバセイン町など人口密集地帯を直撃しているという。
AP通信は、目撃者の証言として、ヤンゴンの通りは3日朝、人影が少なく、商店も閉鎖していると報道。樹木がなぎ倒され、吹き飛ばされた屋根などの残がいが路上に散乱しているという。
停電は同市の大多数の世帯で発生した。サイクロンの風速は最大で秒速約54メートルを観測したという。数メートルの高波も記録している。サイクロンはベンガル湾で発生したもので、ヤンゴンに近い海岸部を2日朝から襲い始めた。ミャンマーの気象観測当局は国営紙などを通じ2日から警報を出していた。
サイクロンは当初、バングラデシュ南東部の海岸を直撃するとの予報が出ていたが、その後、進路が変わり、ミャンマーへ向かっていた。