医薬品メーカー「伊藤ライフサイエンス」(茨城県守谷市)は30日、米国で副作用が多発した製剤の問題成分が微量に含まれていたとして、同社の血液凝固阻止剤「パルナパリンナトリウム」約10万本を自主回収すると発表した。対象製品は1~2月に出荷されたが卸業者の倉庫に保管されており、患者への使用はなかった。
パルナパリンナトリウムは、人工透析の際に血が固まるのを防ぐ医薬品。原料の「ヘパリンナトリウム」を主成分とする製剤で、米国で死亡例を含む副作用報告が多発したことを受け、厚生労働省が検査を指導していた。
回収対象の製品は、アルゼンチンの業者から輸入した原薬の製造過程でヘパリンナトリウムが使われており、さかのぼって検査したところ、副作用の原因成分とみられる物質が混入していたという。【八田浩輔】
毎日新聞 2008年4月30日 22時04分