インド・ダラムサラに本拠があるチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の亡命政府は2日、14世の特使2人が3日に香港入りし、中国側代表との非公式協議に臨むと述べた。同日中に大陸に入るとみられる。
AP通信によると、協議は4日、広東省深セン市で実施する。特使2人は3日間、中国に滞在するとしている。協議には中国側からチベット問題を担当する共産党統一戦線工作部の代表が参加するとみられる。
中国政府は先月下旬、今年3月にチベット自治区などで起きた大規模暴動、武力弾圧や人権侵害で亡命政府側との対話を望む声が国際社会に強まったことを受ける形で、ダライ・ラマ側との対話に応じると発表していた。
亡命政府によると、2特使は協議で、中国の暴動鎮圧についてのダライ・ラマの深い懸念を伝え、事態沈静化のための方策を提案するとしている。正式な対話開始は、チベット危機が解消後に進めたいとの考えも示した。ただ、暴動に関連し、中国メディアのダライ・ラマや亡命政府批判は止まっておらず、今回の協議が円滑に進むとの保証はない。
中国とダライ・ラマ側はこれまで計6回、協議を実施しているが成果は挙がらず、2006年以降、接触は途絶えている。