インストラクションデザインのスキル習得のための基本的なアプローチについて解説します。

1.インストラクショナルデザインの定義について

インストラクショナルデザインについてはさまざまな定義があります。ここでは代表的な定義についてご紹介します。

教育を科学的に分析し、短期間に効率的かつ効果的に人材を育成する手法
誰が教えても一定の教育品質が保証できるように教育を設計し、提供するための方法論
◇学校および企業における、教育の工程・資源の取り扱いの、理論と実践の手法
◇分析→設計→開発→実施→評価の世界標準の科学的技術

米国のASTD(American Society of Training & Development)での定義として紹介されているのは次のようになっています。

インストラクショナルデザインとは:学習効果の高い研修コースをデザインし、開発するためのシステマティックな技法

インストラクショナルデザイナーとは:学習コンテンツを作成する上で、教育理論に基づいたシステマティックな技法を適用できる人。

2.インストラクショナルデザインのアプローチ方法

インストラクショナルデザインの基本的プロセス(ADDIE)は、次の5つです。米国でのインストラクショナルデザインのコースでの各章の名称を併記します。

@   ニーズ調査・分析(Needs AssessmentAnalysis
ゴールを設定し、望まれる条件と実際の条件との相違点を明確にし、解決策・教育方法などを確定していく段階です。
  ◆Learner Analysis
  ◆Content Analysis
  ◆Context Analysis
    Learning Objectives
A   設計(Design
調査・分析した結果を踏まえて検討された解決策や教育方法を、効果的に開発する手順を決定する段階です。
  ◆Designing Instructional Plan
B   開発(Development
設計に基づいて、トレーニングコースとして適切な実施方法を選択し、モデルコースを開発する段階です。
  ◆Developing and Selecting Learning Activities and Materials
C   実装・実施(Implement
トレーニングコースを実際に学習者に対して実施する段階です。
  ◆Expert Appraisal
  ◆Developmental Testing
D   評価(Evaluate
実施されたトレーニングコースを受講した結果、期待される効果が得られたかを測定・評価する段階です。
  ◆Final Production

学習効果の高いトレーニングコースを効率的に開発するためには、この5段階のプロセスをたどる必要があります。

インストラクショナルデザイン入門