6日から訪日する胡錦濤・中国国家主席が7日、検疫上の理由で設けている日本からのコメ輸入制限枠の撤廃を表明する方向で、最終調整していることが分かった。日本政府関係者が2日明らかにした。中国への輸出が認められる精米工場指定に必要な調査期間について「1年間」という日本の要望を中国が受け入れる見通し。中国へのコメ輸出に力を入れる九州にもビジネスチャンスだ。
日本から中国へのコメ輸出は、中国が2003年に検疫制度を改め「新たな病害虫(カツオブシムシ)が入る可能性がある」として停止。その後、日本の要請を受けた中国が暫定措置として07年7月に数量枠を設け、日本からの輸入を再開。これまで計124トンを輸入した。
中国への輸出が認められる指定精米工場は現在、神奈川県内の1カ所だけ。07年4月の日中合意に基づき農林水産省がモデル工場に指定した。
制限枠の撤廃に伴い、指定精米工場を増やす必要があり、日本は認定の条件である調査期間の短縮を求めてきた。中国は「3年間」としてきたが、日本が主張する「1年間」でも、検疫上の安全性を確認できると判断したとみられる。農水省によると、薫蒸方法など日本の検疫態勢の技術的課題については、日中両国の実務者協議で既に安全性が確認されている。
=2008/05/03付 西日本新聞朝刊=