上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、リンリンの死について、石原慎太郎都知事は2日の定例会見で、「御神体じゃないんだから、いてもいなくてもいいんじゃないの」などと述べた。中国からのパンダ獲得に日本政府が意欲を示す中、知事の冷めた反応に園を管理する都職員から戸惑いの声が漏れた。
石原知事は「生きてるものは死ぬんだから。パンダだって死ぬだろうし。世界は狭くなったんだから、見たけりゃいるとこ行って見てきたらいい」と答え、無関心な様子を見せた。リンリンが死んだ4月30日には、小宮輝之・同園園長が会見で「機会があればまた、(飼育に)チャレンジしたい」などと話している。
リンリンは、上野動物園から国立科学博物館(同区)に寄贈されており、今後はく製標本と全身骨格標本として展示される。【市川明代】
毎日新聞 2008年5月3日 東京朝刊