日韓の海に異変、大分のアサリが激減
日韓の海で異変が起きています。全国有数の貝の漁場として知られた大分県の豊前海では、アサリの漁獲量が激減しています。 大分県中津市の豊前海。春先には大勢の家族連れが潮干狩りに訪れ賑わいを見せます。ところが・・・ 「少ないかな」(潮干狩り客) 「なかなか獲れないですね」 「少ないですね。殻ばっかりです」 豊前海でのアサリの漁獲量は昭和50年代に1万トンを超え、昭和60年には2万7000トンで全国一の漁獲量を誇っていました。しかし、その後は減少の一途をたどり、ピーク時の1000分の1まで激減しています。 それでも一昨年回復の兆しが見えてきたことから、県漁協中津支店では去年アサリをブランド化して、全国に売り込む取り組みを始めました。 ところが、2年目の今年・・・ 「去年はバケツに4杯くらい獲れていた。今年は1杯も獲れない」(漁師) 今年の漁獲量は、去年に比べて5分の1程度まで減少。 「去年の4月からずっと調査してきているが、昨年の7月くらいを境にアサリの姿がなくなってきている」(大分県水産試験場 浅海研究所 江頭潤一さん) 今年、激減している要因はまだ特定できていませんが、豊前海の環境の変化がアサリの激減につながっていると指摘する声があります。 「ナルトビエイ自体も地球温暖化の影響で過去こなかったのが、最近は大分県の沿岸まで姿を現すようになったと言われているので、そういった面では(温暖化の)影響がある」(大分県水産試験場・浅海研究所 江頭潤一さん) 本来、亜熱帯に生息するナルトビエイが近年、豊前海沖で増加。アサリなどの二枚貝を食べ漁っていること。さらに、沿岸部のアサリは、夏の厳しい日差しにさらされます。産卵期を過ぎた夏にこうした日が多くなると、アサリの稚貝が死滅します。 2つの要因に共通するのが地球の温暖化です。漁協では資源回復のため、毎年、稚貝を放流するなど対策をとっていますが、なかなか効果は上がっていません。 「アサリもおらんけん、漁業者はみんなクビじゃ」(漁師) アサリ漁はこれから8月頃まで続きますが、今後、漁獲量が急激に増えることは期待できず、漁業関係者の苦悩は続きます。(02日18:07)
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