根室管内別海町の野付半島で4月下旬にオオハクチョウの死骸(しがい)1羽(雄)が見つかり、A型とみられる鳥インフルエンザの陽性反応が確認された。環境省釧路自然環境事務所(釧路市)が1日、簡易検査を行った。強毒性かどうかは、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターで検査を行う。検査は数日かかる見込み。道は野鳥の監視を強化し、養鶏農家への指導を徹底する。
死骸が見つかったのは4月24日。観光客から通報が同町の自然観察施設「野付半島ネイチャーセンター」に寄せられた。27日に獣医の森田正治センター長が中標津町の動物病院で解剖。重さは7・5キロありキツネなどの捕食の跡もなく、死後時間はたっていなかった。
道畜産振興課によると、発見場所から半径30キロ以内に五つの養鶏農家があるが、異常は報告されていない。環境省釧路自然環境事務所は「鳥インフルエンザのウイルスは通常は人に感染しないと考えられている。鳥の排せつ物に触れた後には、手洗いとうがいをすれば心配する必要はない」と呼びかけている。【本間浩昭、山田泰雄】
毎日新聞 2008年5月2日 北海道朝刊