【香港=吉田渉】北京五輪の聖火リレーが2日、中国の特別行政区の香港で行われた。中国に人権改善を求める民主派らが小規模なデモを実施したが、約3000人の警察官が厳戒態勢を敷き、大きな混乱はなかった。香港市民や中国人留学生らが赤い服を着て沿道に集まり、「中国加油(中国がんばれ)」と連呼。チベット独立を支持する学生らと小競り合いになる一幕もあった。
同日のリレーは午前にスタートし、夕刻まで香港域内を巡った。運動選手や芸能人、不動産会社経営者ら119人が走者となった。香港の大手企業が社員を沿道に大量動員したほか、中国本土からも多くの市民が訪れ、中国国旗を振りながら応援する姿が目立った。
沿道でチベットの旗を広げた女子学生の周りには市民がどっと群がり、「おまえは中国人ではないのか」「香港から出て行け」など口々にののしる場面もあった。厳重な警備に加え、大量動員された市民も抗議活動を抑え、混乱はほとんどなかった。(02日 22:01)