NTTが発表した機械から体の表面を通じて通信を行う技術を取材しました。
NTTが機械から体の表面を通じて通信を行う技術を発表しました。
この技術を使うと、握手をするだけで名刺交換と同じ効果が得られます。
さらに、さまざまな形で応用され、製品化もされています。
4月23日、NTTが発表した新しい通信技術「RedTacton(レッドタクトン)」。
神奈川・厚木市にあるNTTの研究所では、レッドタクトンの技術を5つの具体的な形で実現している。
マンションの入り口をイメージしたスペースで、レッドタクトンを使ったカードを首から下げた状態で鍵のかかったドアの前に立つと、音声案内とともにドアが自動で開く。
レッドタクトンの技術を使うと、カードから送られる信号が体の表面を伝わり、体の一部が受信機に触れることで、人を認証することができるという。
両手に荷物を持ち、手が空かないときでも鍵を取り出す必要がない。
「触れる」、「座る」、「踏む」といった自然な動作で通信を行い、ポケットやハンドバッグに入れても使え、カードをかざす必要もなくなる。
例えば鍵のかかったキャビネットでも、受信機がついているとノブを触るだけで鍵が開く。
また、職場などで1つのプリンターを複数の人が使う場合、センサーに触れることでプリントが始まる。
NTTビジネスクリエーションプロデュースチームの朝日利彰プロデューサーは「ICカードや無線タグを使って認証しなければいけないところで、レッドタクトンの技術に少しずつ置き換えていければなと思っています」と語った。
今回、発表されたカード型は送信専用だが、NTTでは受信も可能な端末の開発も進めている。
美術館で絵画を説明してくれる音声ガイダンスにレッドタクトンの技術を使うと、絵の前のパネルに乗るだけで、言語の選択や絵の説明をしてくれる。
さらに、初対面のあいさつの場面では、握手をするだけで端末に音声つきの名刺が届くようになる。
将来的には、送受信の端末を携帯電話に搭載することを検討しているという。
美術館でのガイドや握手で名刺交換。
実用化されるには、まだ少し時間がかかるようだが、レッドタクトンが秘めた可能性はアイデア次第で無限に広がるとみられる。
価格は現在、カード5枚と受信機など一式で80万円だという。
(05/02 12:58)