1.

 

 

 「え?え?ここ、どこなの?」 

 

純(ジュン)はキョロキョロと辺りを見回すが、周りには誰もいない。

見えるのは、大きな木々と小さな泉だけ。

 

 「え・・・?ど、どうなってるの?!」

 

あまりの状況に軽いパニックを起こしてしまう。

 

 (????)

 

頭を?マークでいっぱいにしながら、もう一度周りを見た。

が、やはり先程と変わらない。

やがて、スー。ハー。スー。ハー。

深呼吸を繰り返すこと数回。

 

 (お、落ち着こう。落ち着いて考えたらどうにかなるかもしれないし。

 それに、誰かが通り過ぎるかも!)

 

うんうんとひとり頷く純。

 

 (幸い水はすぐ横にあるし。

 水がなくて死んじゃうなんて事はないよね。)

 

純は泉の横に腰掛けて、誰かが通り過ぎるのを待つ事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (来ない・・・。誰も通らない・・・。)

 

頭の上で陽がカンカンに照っているので、純は木陰に移動した。

 

 (?? あれ?)

 

ふと目に付いた物を掴む。

 (・・・・・。) クイクイ。引っ張ってみた。頭皮が痛い。

 

 (〜〜〜〜〜???!! ぼ、ぼく何でこんなになってるの?

 髪の毛がこんなに伸びてるなんておかしいよ!!)

 

猛烈に自分の髪の毛の変化に戸惑っていた純は

そのまま他に異常がないか自分の身体を調べてみた。

 

 (・・・特に変わったところはないみたいだけど。

 念のために自分の顔もチェックしとこ!)

 

タタタッと泉に駆け寄って、そこで膝を着いて水面を見た。

そこに映ったのは、超絶美人と言う言葉がしっくり来るくらい美しい人だった。

長い艶のある髪は腰ほどにまで伸びていて、

その瞳は黒曜石のようだ。

肌は染みひとつ無く、白すぎて青白い感じすらした。

年は13〜14ほどで、少し幼い顔をしているが

可愛いと言う言葉よりも綺麗と言う言葉の方が似合う顔をしていた。

 

 (!! だ、だれなの、これ・・・?)

 

あまりの顔の変貌に純は口をあんぐり開いた。

と、水面に映る超絶美人の口も開く。それはそれは、お上品に。

 

 (も、もしかしてこれ、ぼくなの・・・?)

 

試しに右手を振ってみる。

すると、水面の美人も同じ様に手を振った。

今度は口を歪ませて、ムッツリした顔を作ってみる。

水面の美人も上品に口を歪ませて、少しムッとした顔になった。

 

 (ど、どうしよ?ぼ、ぼくこんな美人さんになっちゃった・・・!

 これって、喜ぶべき・・・?)

 

水面の美人が、喜んでいるのか悲しんでいるのか分からない微妙な表情を見せる。

そこで、ハッと気付く。

 

 (この顔って女の人、男の人、どっちなの?)

 

慌ててアソコの部分に手を当ててみると、小振りだが感触はあった。

が、勢いでその先にまで指を入れてしまった純は、違和感に気付く。

 

 (・・・・・??)

 

恐る恐るその周辺を指で探ってみると、グッとある一点で指が吸い込まれた。

 

 (っ!!???)

 

もう一度確かめてみるが、確かにある。

 

 (ど、どうしよ?!ぼくって、女の子だったの?!)

 

いつもより小振りにはなっていたが普段どおりあるモノのさらに奥に

それは存在していた。そう、女性器である。

 

 (あれ?でもぼく、おちん○んがあるのに女の子の部分もあるの・・・・?

 でもそしたらぼく、男の子なの、女の子なの・・・・・?)

 

泉の側に佇みながら、呆然と考える。

しばらく陽の光が、青白いとも言える肌を焼いているのには構わずにそこにいたが、

さすがに肌が痛くなってきたので、また木陰に入った。

木陰を提供してくれている木の下で、膝を抱えて蹲る。

 

 (一体どうなってるの?何でぼくの身体はこんなになっちゃったの?

 ここは、どこなの・・・・?)

 

たくさんの疑問が浮かんでは消えていく。

が、純に答えてくれる者はここにはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

______

 

 

 ドタドタと一人の兵士が駆け足で、執務室に駆け込んできた。

 

 「何ですか、騒々しい。」 そこにいた宰相ラナ・リオールが見咎める。

 「す、すみませんっ!ですが緊急でっ!!

 たった今、南の宮殿が何者かに破壊されたとの情報が入りましたっ!!!」

 「なんだと?!」 

 (馬鹿なっ!!) 

 

それまで黙って机に座って自分の仕事を片付けていたトゥーラ国王ラズフェルドは、

その言葉を聞いて思わず立ち上がった。

 

 「それは本当なのかっ?!」

 

兵士に詰め寄った。

 

 「は、はい!真であります、陛下!!」

 

兵士は国王の剣幕に驚きながらも、そう答えた。

 

 「陛下、これはもしやあの男が仕組んだ事では・・・・。」

 

ラナリオールが苦々しげに呟く。

 

 「ああ。間違いない。

 こんな事を仕出かすバカはアイツしかいない・・・・・・・・!!」

 

ラズフェルドは怒りのあまり、持っていた書類をぐしゃっと握り潰した。

 

 「今すぐ、ミネルヴァを連れて来いっ!

 あいつなら何かわかるかもしれん!」

 (今気懸かりなのは、エトランジェの行方と

 アイツのこれからの具体的な行動だ。エトランジェの方は、急を要する。

 急がなければ・・・・!)

 

ラズフェルドとラナリオールの二人は、

部下に指示を出している間も頭の中では

現状を打破する策略を練っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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