ガソリン税(揮発油税など)の暫定税率復活を受け、上伊那地方の給油所で1日、ガソリン価格の値上げが相次いだ。混雑した前日と一変して客足が遠のき、閑散とする各店の光景が見られた。
上伊那ではJA上伊那を除き、県石油商業組合上伊那支部の寺平覚支部長によると、全店で一斉に引き上げた。JA上伊那では2日から引き上げる予定。
駒ケ根市内の給油所では、通り過ぎる車を従業員が見送るばかりで、「仕事でやむにやまれぬ人以外はほとんど来ない状態」。レギュラーガソリンを前日の1リットル131円から164円に設定した。
前日は通常の閉店時間を1時間半ほど延長して対応。店長は「世の中の動きが一気に極端に出た感じ」とし、国政の混乱に「業者側から言うと、税金がかかったものを仕入れて商いしている。無神経に映った」と憤った。「きょうは普段できない雑務をこなし、あすからに備えたい」。
宮田村内の給油所は、レギュラー129円を162円に引き上げ。前日は通常の4倍ほどを売り上げたという。「(1日からの暫定税率復活を)予想していたとしても100%ではない。連休入りしたこともあって前もって在庫を注文しておかなければならず、身動き取れなかったスタンドもあったのでは」と指摘した。
寺平支部長は「消費者の立場では安い方がいいが、道路も必要。難しいが、今回は政治の道具にされたと感じる」と話した。