2008-05-02
■喩えの用い方
喩えを用いると相違点についての突込みが入ることがあるのですが、単なる妨害工作なのか、それとも反論として成立しているのか、そのあたりについて論じてみます。
具体例として、100人の人間からなる集団2つと100円玉2枚について考えます。
まず、グラウンドで待っている100人のある集団に別の100人の集団が合流すると200人になるのかどうかを論じる場合に、100円玉が1枚あって更にもう1枚もらって200円になるようなものだと喩えたとします。しかし、ぴったり200人であるかそうでないかが重要であるとき、例えばグラウンドで待っている100人のうちの誰かが貧血で倒れて保健室に運ばれて人数が少なくなると成立しなくなるような論の前提として用いようとしている場合には、100人の集団を100円玉に喩えることには無理があるということになります。
次に、100円玉が1枚あって更にもう1枚もらって200円になることを、グラウンドで待っている100人のある集団に別の100人の集団が合流すると200人になることに喩えたとします。グラウンドで待っている100人のうちの誰かが貧血で倒れて保健室に運ばれて人数が少なくなる可能性をもって、喩えとして相応しくないと指摘するのはどうでしょう。これを指摘したとしても、100円玉が1枚あって更にもう1枚もらって200円になることを前提に用いて論を展開することの反論にはならないでしょう。つまり、論への反論ではなく、別の目的をもってなされた何かでしかないということになります。
つまり、AをBに喩えたときに、Aにおいて無視されている属性があることを指摘した場合にはAを前提とした論への反論として成立する可能性がある一方、Bにおいて無視されている属性があることを指摘した場合にはAを前提とした論を展開することへの単なる妨害工作にしかなっていない可能性があるような気がします。
なお、100円玉は金属で出来ているけれど100人の集団は肉で出来ているみたいな指摘は、もとより論外です。
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