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「緑のおばさん」を守れ――英国で導入されるハイテク技術

英国で交通誘導員に暴力を振るうドライバーが増加していることを受け、デジカメを仕込んだストップサインの導入が検討されている。(ロイター)
2008年05月01日 16時01分 更新

 英国では、学校周辺の横断歩道で登下校時の学童の道路横断を「ロリポップマン」や「ロリポップレディー」と呼ばれる交通誘導員が支援している。最近こうした誘導員に悪態をついたり暴言を吐いたりする不届き者が増えていることから、その対策として新たなハイテク兵器が導入されることになった。

 「ロリポップマン」や「ロリポップレディー」といった呼び方は、黄色いジャケットを着た交通誘導員が持つ「ストップサイン」の形がロリポップ(ぺろぺろキャンディー)の形に似ていることによるもの。目下問題になっているのは、車の運転者の中には、こうした誘導員の指示を無視したり、中には攻撃的な態度を取る人がいるということだ。

 英国の地方自治体協会(LGA)の発表によると、その対策として、今後は交通誘導員が持つストップサインに小型カメラを2台設置し(1台は前方に向けて、もう1台は後方に向ける)、違反者を記録できるようにする方針という。

 当局によると、交通誘導員や子供たちは最近、自動車運転者の威嚇的な態度や暴言、悪態の増加にさらされており、特に朝の通勤ラッシュの時間帯にはそうした傾向が顕著だという。

 一方、自動車運転者のグループは、悪意のない運転者が不当に罰せられることのないよう策を講じる必要があると主張している。

 最新のデータによると、2007年の交通誘導員に対する事件は1400件以上だった。

 ハイテク版のストップサインはある株式非公開企業によって開発されたもので、コストは1本当たり900ポンド前後。LGAの広報担当者によると、既に全英で150以上の地方支部がこの方法に興味を示しており、ハイテク版のストップサインは向こう数カ月以内に全英に導入される見通しという。

 英国の法律では、交通誘導員の持つストップサインは信号機の赤信号と同じ法的な強制力を有し、指示に従わなかった場合は罰金1000ポンド(約1969ドル)を科されるほか、自動車免許の点数を3ポイント減点される。

 「こうした措置を講じなければならないのは信じ難いことだ」とLGAの交通担当委員会の委員長デビッド・スパークス氏は声明で語っている。

 「だがコミュニティーにとって必要不可欠なサービスを担当してくれているロリポップマンやロリポップレディーに対する罵声や威嚇行為は黙認できるものではない。そうした自動車運転者には、自分が刑事犯罪を犯しているということを自覚させる必要がある」と同氏は続けている。

 英ハンプシャー州の元ロリポップマン、デビッド・フランシス氏は昨年、同州ゴスポートで道路横断を誘導中にひどいけがを負わされたとう。同氏はいまだに介助なしでは歩行できず、薬の服用を続けている。

 英自動車協会(AA)の交通安全担当主任アンドリュー・ハワード氏は今回の動きを歓迎しつつも、悪意のない運転者が誘導員の指示に気付かなかった場合に不当に罰せられる可能性について注意を促している。

 「もっとも、交通誘導員に対して信じられないほど無礼な態度を取る人がいるのは確かだ。だから、故意に物騒な態度を示す人にはこうした特別な措置が必要なのだろう」と同氏はReutersの取材に応じ、語っている。

[ロンドン 30日 ロイター]

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