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中国のナショナリズムは戦争リスク高める スーザン・シャーク教授インタビュー (1/2ページ)
このニュースのトピックス:中国
チベット騒乱の余波を受け北京五輪の聖火は、中国国内のナショナリズムに火をつけた。中国のナショナリズムは今後、中国をめぐる国際関係にどう影響するか、1997年から3年間、クリントン政権下で米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)を務めた米カリフォルニア大学サンディエゴ校地球紛争・協力研究所所長のスーザン・シャーク教授に聞いた。
−−パリでの聖火妨害事件以来、中国で何が変わったか
「ナショナリズムの高揚で、国内的には党指導部にとって実にうまく行っている。中国のインフレ、個人投資家を直撃している株価下落など厳しい状況の下で、ナショナリズムは社会の騒動を抑えるのに役立つからだ。国民大衆、さらに世界中の中国人も共産党政府と一体になった。かつてなかった局面だ」
−−北京五輪後もナショナリズムの熱は続くか
「ここまでナショナリズム感情が総動員されると、何かにつけその標的が中国に批判的な米欧に向かうのではと懸念している。世論に縛られると、中国の指導者は責任ある大国としての国際協調行動がとれなくなる。台湾、日本との領土問題などチベット以外でも国民大衆の注目を浴びそうな分野は多い。対外経済問題にも影響する」
−−米側にも経済で対中不満がある
「台頭する中国は安全保障上では冷戦時の旧ソ連、経済面では1980年代の日本の二つを合わせた脅威になっている。政治制度、価値観も違う。巨額の貿易赤字で人々は中国を非難している。政府は制御が難しい。
民主党の大統領予備選でもわかるように、米国では組織労働者の問題がある。米中経済問題は民主党政権になっても、あるいはマケイン共和党政権になっても大きな難問だ」