岡山放送局

2008年5月1日 21時26分更新

遺伝子治療の臨床研究申請


がんの遺伝子治療に関する研究を進めていた岡山大学の研究グループが、実際のがん患者を対象に試験的に治療を行い、効果や安全性を検証する臨床研究をスタートさせようと大学の審査委員会に申請しました。

遺伝子治療の臨床研究を申請したのは、岡山大学大学院の公文裕巳・教授らの研究グループです。

公文教授らのグループでは、これまでにも3件の遺伝子治療の研究を進めてきましたが、今回は新たに岡山大学で発見された「REIC」と呼ばれる遺伝子を使った臨床研究を目指します。

公文教授によりますと、これまでの動物実験ではこの遺伝子をがん細胞に注入すると、がん細胞が死滅したり免疫が活性化したりする効果などが見られたということです。

計画では、ほかに有効な治療法がない前立腺がんの患者を対象に、患部に遺伝子を注射して人での効果や安全性を検証することにしています。
臨床研究の計画は岡山大学の審査委員会を経て国の審議会で承認されればスタートすることになります。

公文教授は「この遺伝子治療は前立腺がんだけでなく肝臓がんなど別のがんにも効果があると考えており、将来的には幅広く応用したい」と話しています。