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クラスター爆弾:被害のカペタノビッチさん、名古屋で講演 /愛知

 ◇180人真剣に聴き入る

 切断された手でマイクを握り、車いすの上からクラスター爆弾の危険性、非人道性を訴えるセルビア人、ブラニスラン・カペタノビッチさん(42)の講演に、約180人の学生や市民が真剣に聴き入った。16日、名古屋市昭和区の中京大で開かれたシンポジウム。主催者の同大社会科学研究所の金敬黙准教授は「カペタノビッチさんの訴えを広め、全面禁止運動をサポートしよう」と訴えた。

 シンポジウムは同大と地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)の共催。清水俊弘・国際ボランティアセンター事務局長がクラスター爆弾の概要を説明し、カペタノビッチさんのスピーチが行われた。会場からは「日本が全面禁止条約に消極的なのは米国からの圧力か」「軍縮条約を市民が作る意義は」などの活発な質問が相次いだ。【山田一晶】

 ◇講演の要旨

 クラスター爆弾の被害者は世界中にいる。セルビアでは、不発弾処理隊が奔走したが、千数百人の死傷者が出た。セルビア南部では一度に11人の死者が出たこともあった。

 強調したいのはクラスター爆弾の犠牲者の95%が一般市民だということ。本来、空爆が狙っていた軍事関連施設の被害は5%に過ぎない。クラスター爆弾の標的が軍事施設でも、周辺市街地にも子爆弾が散らばるからだ。

 実際に処理してきた専門家として言えば、クラスター爆弾は現存する兵器の中でもっとも恐ろしい。爆発が不安定だし、爆弾の種類ごとにさまざまな起爆装置があるからだ。

 クラスターに良いも悪いもない。すべてのクラスターが悪だ。日本にもクラスター爆弾があり、政府は「敵の上陸地点に投下する」と説明しているが、今まで、この攻撃的な兵器を自国領域に投下した国はないのだ。

 日本でも嘆願運動などで国会や内閣に訴えてほしい。みなが力を合わせれば国を動かせる。今日、集まってくれた一人ひとりが声を発して、私たちをサポートしてほしい。

毎日新聞 2008年4月17日 地方版

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