ASEAN主要6か国における対日世論調査(結果概要)
平成20年5月1日
外務省は、TNSシンガポール社に委託して、平成20年2月から3月に、ASEAN主要6か国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)において対日世論調査(各国において18歳以上の国民又は永住者300名を対象に面接又は電子メール方式で実施)を行ったところ、結果概要は以下のとおり。
- 日本との関係については、各国において9割以上が「友好関係にある」又は「どちらかというと友好関係にある」と回答し、また、同じく9割以上が日本を友邦として「信頼できる」又は「どちらかというと信頼できる」と回答しており、日本との関係に関し肯定的なイメージが広範に定着していることが示された。
- 日本に関するイメージについては、6か国合計の全体で、回答の多い順に1位「科学技術が発達した国」(86%)、2位「経済的に進んでいる国」(79%)、3位「生活水準の高い国」(75%)であり、最先端の科学技術立国、豊かな先進国といったイメージが強いことが示された。また、4位「興味ある文化を有する国」(69%)、同じく4位「自然の美しい国」(69%)、6位「アニメ、ファッション、料理等新しい文化を発信する国」(61%)との回答に見られるとおり、日本文化(伝統及び現代文化)や美しい国土に対する高い関心も示された。日本人に対しては、「勤勉である」、「能率的である」、「礼儀正しい」、「団結心が強い」等のイメージが上位を占めた。
- 日本の国際貢献については、6か国全体で、政府の経済・技術協力が役立っているとの肯定的な回答は92%、日本企業の進出に対する好意的な回答は93%、アジアの発展に対する日本の積極的役割に対する肯定的な回答は87%になる等、日本の国際貢献の特に経済的な側面に関し高い評価が示された。
- ASEAN諸国にとっての重要なパートナーはどの国かとの質問については、6か国全体で、中国(30%)、日本(28%)及び米国(23%)の順で評価された。このうち、日本を1位とする国(インドネシア、フィリピン、ベトナム)と中国を1位とする国(マレーシア、シンガポール、タイ)が6か国の中で二分化したのが特徴的であった。
- 日本は国連安全保障理事会常任理事国入りすべきかとの質問については、6か国全体で、安全保障理事会の機能を承知していると回答した者のうち78%が肯定的な回答を行った。
- 日本とASEANとの間の経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)の取組を承知しているかとの質問については、6か国全体で約4割が肯定的な回答であった。そのうち、このEPA/FTAに期待する項目として、「相互投資貿易の拡大」を挙げる回答が27%、「ASEAN各国の経済構造改革の推進」を挙げる回答が27%、「経済面にとどまらない日・ASEAN間の連携強化」を挙げる回答が22%、「日本からの技術支援」を挙げる回答が19%であった。
- なお、ASEAN地域においては、外務省の委託により対日世論調査を過去6回(1978年、83年、87年、92年、97年及び2002年)実施している。