中国政府、選手の食品持ち込み禁止
オリンピックで国内食品産業保護か
1936年にナチス・ドイツが、古代と現代をつなぐと称して始めた「アテネ・ベルリン間聖火リレー」が定着慣例化している。しかし、2008年北京オリンピックの世界一周聖火リレーは行く先々で中国の人権問題抗議の標的にされ、北京の大気汚染が選手を脅かし、さらに中国食品の安全性にも世界的に不信感が高まっている折り、食品持参を考えている選手団など、今回ほど世界から「祝福されていないオリンピック」も珍しい。
そこに来て、4月30日付ニューズ・リミテッド系紙は、中国政府が、2008年北京オリンピック参加選手団が自国の食品を中国に持ち込むことを禁止したと報道している。同紙は、中国がオリンピック期間中の地元食品産業の営業を助けるために食品輸入禁止措置を出したとしている。通常スポーツ選手は身体や食習慣に合わせた厳格な食事内容を守っており、過去のオリンピックではどこの国の選手も食事内容に応じた食品の持ち込みが許されてきた。しかし、北京オリンピック実行委員会の貨物マニュアルに食品持ち込み禁止の条項が追加されていることが明らかになった。
オーストラリアはすでにシリアル、ミューズリーなどの入ったコンテナーをすでに中国に向けて発送しており、今後2、3か月のうちにベジマイトなどを詰めた荷物も発送する予定だった。豪オリンピック・チーム専属栄養学者ルイーズ・バーク教授は、「豪選手団が持参する食品のほとんどは中国国内では手に入らない。オーストラリア独自の食品は選手の気分を和らげるために必要だ。オーストラリア食品のコンテナーが通関禁止になるなどという困った事態をまったく考えていなかった」と語っている。
また、縁起をかついで2008年8月8日午後8時に開会式が始められる北京オリンピックを前にすでにビザの発給が制限されていると伝えられている。(AAP)
文末に(AAP)とある記事は、AAP配信記事の忠実な翻訳であり、日本国内の報道と合致しない記述も含まれています。
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