初めて聴く曲でも、安藤裕子の歌にはすぐに彼女だと分かる歌声の力がある
月桂冠「定番酒 つき」のCMソングとして、未発表曲だった「のうぜんかつら（リプライズ）」がオンエアされるや否や、「誰の歌？」という問い合わせが殺到。初めて彼女の楽曲に触れた人々を一瞬で虜にしたこのエピソードからも、圧倒的な歌声の存在感を感じることができる。そして今年1月、2ndアルバム「Merry Andrew」がリリースされた。

「CMで流れたのは曲の一部で、続きを知りたいとアルバムを手にしてくれた方も多いと思うので、2ヴァージョン入れてみました」。

そう彼女が語るように、今作にはCMでおなじみのピアノがしっとりと響くヴァージョンと、東京スカパラダイスオーケストラのNARGO、北原雅彦、GAMOのホーン隊といった豪華なメンバーたちが参加したヴァージョンを収録。さらに、日常に疲れてヒリヒリした心の内や、すべてを包み込むような優しさが感じられる曲なども収録と、改めて彼女の豊かな表現力を実感できる一枚に仕上がっている。そんな今作のタイトルは、彼女の苗字“安藤”にちなんで名付けられた「Merry Andrew」。

「“merry-andrew”という言葉には、『道化師』っていう意味があって。私自身、頬に涙のマークがあるピエロのような人間だなって思ってるんですよ。もともと真正面から人と向き合うのが得意じゃないんで（笑）。だから私のための言葉だなと。今回、日常の中にある幸せや不安とか、人間っぽくて自分っぽいアルバムになったなぁと思って、私の名前をつけました」。

真剣な表情かと思えば、冗談を言っていたずらっ子のような表情を見せたりと、茶目っ気たっぷりな彼女。今は4月に大阪、東京で行なわれるライブが楽しみで仕方ないよう。「昨年の秋以来なので、4月のライブがすごく待ち遠しいんですよ。ぜひ、楽しみにしててくださいね」。