神奈川県などで流行が始まっているはしか(麻疹(ましん))に対応するため、県は30日、県の担当者を集めた緊急の会合を開いた。県内では前年度、人の流れが激しい大型連休明けに流行が始まったため。国は感染拡大に向け今年から、中学1年と高校3年を対象に定期予防接種を始めており、市町村でも広報などを通じて積極的な呼び掛けを始めている。
県健康増進課によると、前年度は連休明けの5月7日の42人をピークに計480人が感染し、7月下旬までに小中高校と大学計9校で10回の休校・学級閉鎖措置が取られた。県内では24日までに、患者は7人にとどまっているが、大型連休中に感染が広がることも予想される。
会合には、県教委や保健所などの担当者約20人が出席。学校で生徒から疑われる症状が出た場合、早めの医療機関受診を指導することなどを確認した。
一方、会合では、山梨厚生病院の池田久剛・小児科部長が「はしかの正しい知識」と題して講演。はしかは発疹(ほっしん)前5日から発疹後4日と長い間感染することや肺炎などの重い合併症を引き起こして死亡するケースもあることが紹介された。
池田氏は、予防接種は流行前に受けることが必要で、対象年齢ではなくても周囲で流行が始まったら任意で受けることが重要と指摘。「はしかは怖い病気であることをもっと認識する必要がある」と述べた。【中村有花】
毎日新聞 2008年5月1日 地方版