小島一志コラム


「LET IT BE 
 ●人々―人間〜その1」


 毎月毎月、このHPで原稿を書いていかなければならない――ということで、あまり気張った内容ばかりでは読者も疲れてしまうのではないかと思う今日この頃。そこで、今月からしばらくの間「LET IT BE」と題し、適当に心に思うことを書いてみようと思う。いわば私・小島の人間カミングアウトというふうに理解してもらえれば幸いだ。今回はまず、「人々―人間」をテーマにしての落書を少々。
 ところで私の場合、根が恐ろしく狭量かつ性悪、さらに激情的。物事をすべてYESかNOで割り切ってしまう性格である。何についても好き=嫌い、認める=認めないという白黒をはっきりとつけないと気が済まないのが私の欠点である。さらに言うならば私の場合、困ったことに10のうち9以上が嫌い、認めないというマイナス評価であり、もっとさらに言うならば私の場合、その評価に屁理屈をつけてしまうというとんでもない傾向がある。息子の大志が呆れ顔でよく言う。「TVの歌番組を一緒に観るとホトホトうんざりする。ほとんどの歌手を『最悪』とか『カス』とか『猿真似』とかケナしまくりだもんな。認めるっていうミュージシャンは100人のう ち1人か2人だけじゃん」と。とにかく私の場合、強烈に評価がきつい。だから私には友だちがいない。私の周りは敵ばかり。私は孤独である――ということになる。
 尊敬する人
  芦原英幸、矢沢永吉、高倉健
 芦原先生は私にとって夢そのものだった。格闘家としての絶対的基準である強いか弱いかという評価を超えて(もちろん私は芦原英幸こそ最強と信じてきたが)人間として芦原先生ほど魅力がある人もいなかった。理屈を言い出すと一冊の本を書かなくてはならなくなるのでここでやめるが、芦原先生は私の夢そのものだった。そして生涯の恩人だ。   矢沢永吉のファンに対しては、昔からステレオタイプのイメージというか固定観念、つまりは偏見が根強いようだ。私が矢沢ファンだということを知ると、「ふ〜む、なるほどね」などと訳知り顔で頷きながら私を観るヤツらが多い。そんな時、私はいつも殴ってやろうかと思う。矢沢永吉と言っただけでワンパターンの偏見で彼の音楽までも決めつけてしまい、楽曲を聴きもせずに「ヤンキー!」などと断定する輩も少なくない(おまえのことだ安田留美)。だから矢沢永吉の音楽についてはまた後で書く機会もあると思うのでここでは理屈は言わない。私にとって矢沢永吉は偉大なる目標であるとだけ言っておこう。 高倉健が何故好きか? 私が信じる「男の美学」を極限の姿で演じてくれるのが高倉さんだからだ。私にないもの、私に足りないものをすべて持っているのが高倉健なのだ。
 好きな女優、女性タレント
  安倍なつみ、江角マキコ、吉永小百合
 理由は言わない。ただこれだけは言っておこう、私には「タイプ」なぞないということを。そして私はサユリスト第2世代である。
 嫌いなタレント、有名人
  和田アキコ、泉ピン子、林寛子、大橋巨泉、生島ヒロシ、中山秀征…… 
 私の場合、「好きじゃない」「どうでもいい」「嫌い」という評価は原則として存在しない。「大好き」か「半殺しにしたいほど大嫌い」の2つしかないのである。それにしても恐ろしい。大嫌いなヤツらが多過ぎて書ききれないほどだとは! 少なくとも、あと50人くらいはいそうだ。
 私が大嫌いな人間
  〈I〉〈H〉〈S〉〈A〉
 さすがにここはイニシャルだけでご勘弁を。Iは興行師、H、S、Aの3名は空手の先生だ。私の仕事がらみで申し訳ない。嫌いなヤツはまだまだ捨てるほどいるが、読者が知らない相手では面白くないので、ひょっとしたら皆さんが知っているかも? という人間を挙げてみた。もっとも私の著書を読んだ人なら誰もピンッ!とくるはず。
 Iのような男が世間を伸し歩いていると思うだけで気分が悪い。しかし悪は滅びる。そろそろ警察に脱税容疑で逮捕されて一丁上がりな気配。乞う御期待。H、Sで思い出したことがある。この機会にひとつ言っておきたい。極真会館の第5回世界選手権の直前、優勝候補の八巻建志の周辺に怪文書が出回ったことがある。その怪文書の出所が私であるという噂がある範囲で広まった。たしかに私はこの件に関して無関係ではなかった。何故なら大会当日の朝、私は吉祥寺支部長だった小笠原和彦からこの話を聞かされ、小笠原と2人で八巻の奥さん(当時)のところまで事情を聞きにいったという事実があるからだ。では何故、私がこの件に興味を持ったかといえばひとつ気になることがあったからである。大会の2週間前、私の会社にある人物から八巻の連絡先や支部長たちの住所を教えてほしいという電話があった。変だな!とその時私は思ったが、相手は私の知人である。それに支部長の連絡先は公開されている。ただ、それでも八巻の連絡先を教えてしまったのは私の重大な過失であったことは事実だ。その知人は「本部に電話したら、すぐにはわからないのでムゲンに聞けばいいと言われた」などともっともらしい理由を並べ立てる。そこまで言われれば、相手が知人である以上、私は断れなかった。だから私は小笠原から話を聞いた瞬間、犯人は誰であるのかすぐに理解した。
 今さら謎解きをするつもりはないが、少なくとも私は犯人ではないし、私は犯人を知っている。しかし、私を嫌うHやSは多分、八巻の奥さん経由で、「小島が何かを知っている」という言葉を「小島が犯人だ」と歪曲させたに違いない。それも多分恣意的にである。ちなみにこの件で本当の犯人を知りたいという人がいたら、もっともな理由があるかぎり、私はいつでも公開するつもりだ。
 それにしても現在のSは哀れだ。策に溺れるものは策に滅ぶ。Aについては最近、もうどうでもいいという気持ちが強い。しかし、私と彼とのプライベートな手紙を道具にし、以前勤めていた会社での私の失職を画策したり、私が彼に銭をせびったなどという嘘を広言したりという行為に対する怒りは今なお収まらないのもまた事実。
 尊敬する歴史上の人物
  勝海舟、大隈重信、土方歳三
 勝海舟は文武両道、清濁合わせ飲む人だった。毀誉褒貶が激しいところも人間味溢れていて私は好きだ。大隈は母校・早稲田の創始者で在野精神を示してくれた人。土方は武士の美学を自らの生命を賭けて体現した人。土方の悲しいほど壮烈な生き方に私は憧れる。 軽蔑する嫌いな歴史上の偉人
  西郷隆盛、豊臣秀吉、福沢諭吉
 西郷はウドの大木でしかなかった。秀吉は結局は信長を裏切った人、Iのような人間のクズである。福沢は日本人に西洋礼賛・東洋蔑視を植付けた人間。咸臨丸に福沢が乗り込んだ時の汚いやり口だけで、福沢の狡い人間性が知れる。
 私の命
  息子の大志。
 私の大切な人
  MUGENのスタッフたち
 私は偽善者ではない。むしろ偽悪者でありたいと常日頃から思っている。だからこれは正直な気持ちだ。MUGENのスタッフは大志の次に大切な、そして唯一の仲間である。 副代表の塚本は私がこの世で最も怖い人間だ。同時に私が誰よりも一番信じている人間である。今や幹部クラスの佐野は、私にとって本当の兄弟以上にかわいい弟だ。そして私の面倒を一番よく見てくれる相棒というか保護者というか女房のような存在である。孝則は私の実弟だが、私以上にリーダーシップがあり私よりも器が大きい人間だ。沢田は私にとっては小さな太陽。行者のような根本はまさにMUGENの根っ子のような存在……。 私は幕末に活躍した新撰組が好きである。新撰組についてもいつか書く機会があると思う。MUGENは私の新撰組だと思っている。副代表の塚本が土方歳三で、佐野が沖田総司、孝則が永倉新八といったところか。私は? 俗物の近藤勇。馬鹿馬鹿しい話で御免。 

〈WANTED〉
 私も齢40を超えてしまった。一期一会とはいいながら、いつしか連絡も取れず行方がわからなくなってしまった友人たちも少なくない。もう一度逢いたいという人をここで公開しておこうと思う。彼らを知っている人は是非、MUGENまで一報ください。お礼も薄謝ながら!

●栃木高校時代の先輩、石塚稔さん/本当に世話になった人。石塚さんを知って早稲田大学に憧れた。現在、噂では日立製作所に勤務し、大宮あたりに住んでいるらしい。
●立教大学時代の友人、若山と大石/私の記憶が正しければ1978年入学で社会学部の産業関係学科。若山は岩手県一関出身で加山雄三のファン。大石は静岡県藤枝東高校出身。たった1年間の立教大学生活だが、立教の奴らはみんないい人間ばかりだった。 
●馬場容子/前にいた会社(福昌堂)時代の友人。彼女と知り合わなかったら今の私はいないだろう。青春時代の師匠のような存在。大阪生まれで船場中出身のはず。
●高田馬場のパブ・サントリーに勤めていた安里さん/1980年頃、私は毎日のように世話になった。銭がなくても黙って飲ませてくれた。私の姉のような人。沖縄出身で肌の黒い魅力的な女性だった。



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