【ワシントン草野和彦】米医薬品大手バクスター社製の血液抗凝固剤の副作用により米国内で患者の死亡が相次いだ問題で、同社のパーキンソン最高経営責任者(CEO)は29日、米下院・公聴会への書面証言で「意図的な(不純物)混入の対象になったという強い懸念がある」と指摘した。原材料は中国から輸入されており、中国内での混入の可能性を強調した。AP通信などが伝えた。
血液抗凝固剤は人工透析などの際に使われ、米国内ではバ社製品を投与された患者81人が死亡、785人が強いアレルギー症状を起こした。米食品医薬品局(FDA)は先月、主成分のヘパリンと似た別の成分が検出されたと発表。バ社は、中国に工場を持つ米SPL社から原材料の供給を受けていた。FDAが公聴会に提出した書面証言は「意図的な混入との仮説だが、まだ証明されていない」としている。
日本では先月、SPL社の原薬を輸入し、血液抗凝固剤を製造・販売した3業者が製品を自主回収した。
毎日新聞 2008年4月30日 12時47分(最終更新 4月30日 13時04分)