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高齢者の安全な靴選び 転倒→骨折を防ぐ (1/2ページ)
■つまずき歩きは危険信号
高齢者に多いつまずき転倒。足腰の衰えた“すり足歩行”が誘因となり、骨折して寝たきりになる人も少なくない。こんな悲劇を防ぐため、少しでも安全な靴を選びたい。つま先が反り上がり、甲までしっかり覆い、かかとなどに心材が入り、ヒールは3センチ以下で一体型−と専門家。靴は体の一部。高齢者ほど自分に合った良い靴を選ぶことが大切だ。(八並朋昌)
東京都老人総合研究所の鈴木隆雄副所長によると、65歳以上の在宅高齢者で1年間に転倒したことのある人は10人に2人いることが全国調査でわかったという。発生は屋外が6割、原因は内外問わず「つまずいた」「滑った」が7割に達する。
転倒者の6、7割が負傷、うち1割が腕や大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)(太もも付け根)などの骨折。高齢者の大腿骨頸部骨折は年間約12万件にも上る。転倒の誘因は筋力低下や変形性膝関節症のほか、持病、降圧剤や入眠剤など薬によるふらつきもある。
「高齢者は骨折すると1割は寝たきりになってしまう。けがをしなくても、転倒した恐怖が残る転倒後症候群で歩行がぎこちなくなり、次の転倒を誘発したり、歩くことを避ける傾向がある」と鈴木さん。そして「1度でも転んだ人は、転びやすい体になっているので、安全な靴を選ぶことが大切」と指摘する。